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諱
「諱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
諱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
嘗むる祭の日であり、娘の神の館は祭の幄舎《あくしゃ》に宛てられていた。この祭には
諱忌《きき》のあるものは配偶さえ戸外へ避けしめる例であった。生みの親の、その肉親....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
。 眼よ。西欧の詩人はこれを形容して星という。東亜の詩人は青蓮に譬える。一々の
諱は汝の附くるに任せる。希くばその実を逸脱せざらんことを。わたくしの観る如くば、....
「川中島合戦」より 著者:菊池寛
後で、第十六代信虎の子が信玄である。幼名勝千代、天文五年十六歳で将軍足利義晴より
諱字を賜り、晴信と称した。この年父信虎信州佐久の海ノ口城の平賀源心を攻めたが抜け....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
興味が深い。 氏政、氏照は殺されたが、籠城の士は凡て、生命を助けられた。ただ忌
諱に触れていた連中は、捕えられた。 裏切をした松田憲秀は、二男の左馬介が氏直に....
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
く起った。 街では、毎晩、そこ、ここの家々が、武器を持った兵士等に襲われた。「
諱三路の×さアん、いらっしゃいますか? 急用!」映画を見ている最中に、木戸から誰....
「運命」より 著者:幸田露伴
の余瀾は万里の外の邦国に漸浸するに及べるありしが為ならずばあらず。 建文皇帝|
諱は允※、太祖高皇帝の嫡孫なり。御父懿文太子、太祖に紹ぎたもうべかりしが、不幸に....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、松平大膳太夫ならびに長門守は官位を剥がれ、幕府より与えられた松平姓と将軍家|御
諱の一字をも召し上げられた。長防両国への物貨輸送は諸街道を通じてすでに堅く禁ぜら....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
各国公使の前でそれを読み上げた。 「日本国天皇、|告。」 慶応四年正月十日御
諱 ともかくも、その日は日本の天皇が外国に対する御親政の始めであった。 午後....
「劉海石」より 著者:田中貢太郎
た。 「海石は仙人だ」 それは山と石の字を合わすと岩の字になるが、それは呂仙の
諱であった。....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
を手下に備えなければならぬ、就ては秀吉に対して嘗《かつ》て敵対行為を取って其|忌
諱《きい》に触れたために今に何《ど》の大名にも召抱えられること無くて居る浪人共を....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
る。 予の寡聞を以てしても、甲教師は超人哲学の紹介を試みたが為に、文部当局の忌
諱に触れたとか聞いた。乙教師は恋愛問題の創作に耽ったが為に、陸軍当局の譴責を蒙っ....
「考城隍」より 著者:田中貢太郎
予(聊斎志異の著者、蒲松齢)の姉の夫の祖父に宋公、
諱を※といった者があった。それは村の給費生であったが、ある日病気で寝ていると、役....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
あれば頼りになるのであるが、それもない。やっとのことで、大正十年が一千三百年の遠
諱に当るということに気がついた。『日本書紀』は文庫本でこの頃手に入れたが、その本....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
構少しも申し分なし。そもそも微々たる旧基を振るいてかほどの大寺を成せるは誰ぞ。法
諱を聞けばそのころの三歳児も合掌礼拝すべきほど世に知られたる宇陀の朗円上人とて、....
「春雪の出羽路の三日」より 著者:喜田貞吉
も諸士の邸宅が割り宛てられていた盛んな状が知られる。それが些細なことから幕府の忌
諱に触れて、一朝主家の改易となっては、たちまち分散消滅してしまったのだ。 夜四....