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諳誦
「諳誦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
諳誦の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文章」より 著者:芥川竜之介
も四人の所化《しょけ》は勿論、近眼鏡《きんがんきょう》をかけた住職は国定教科書を
諳誦《あんしょう》するように提婆品《だいばぼん》か何かを読み上げている。
その....
「虚構の春」より 著者:太宰治
申して、幾度となく繰り返し繰り返し拝読して居る様子で、貴作、ロマネスクは、すでに
諳誦《あんしょう》できる程度に修行したとか申して居たのに。むかしの佳《よ》き人た....
「思い出の記」より 著者:小泉節子
『春の日の霞める空に、すみの江の……』と節をつけて面白そうに毎度歌いました。よく
諳誦していました。それを聞いて私も諳ずるようになりました程でございます。上野の絵....
「朱日記」より 著者:泉鏡花
い児だ。――優しい人の言う事は、よくよく身に染みて覚えたと見えて、まるで口移しに
諳誦をするようにここで私に告げたんだ。が、一々、ぞくぞく膚に粟が立った。けれども....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
な人物の一人として、少年時代の半蔵の目にも映じたのである。あの『正気の歌』なぞを
諳誦した時の心は変わらずにある。そういう藤田東湖は、水戸内部の動揺がようやくしげ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
少年時代からの彼が心をひかれたものであり、あの藤田東湖の『正気の歌』なぞを好んで
諳誦したころの心は今だに忘れられずにある。この東湖先生の子息さんにあたる人を近く....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
んだ。婦人ながらに漢籍にも通じ、読み書きの道をお粂に教え、時には『古今集』の序を
諳誦させたり、『源氏物語』を読ませたりして、筬を持つことや庖丁を持つことを教える....
「創生記」より 著者:太宰治
らをひくい鼻の先に立てて片手拝みして、もうわかった。いつも同じ教材ゆえ、たいてい
諳誦して居ります。お酒を呑めば血が出るし、この薬でもなかった日には、ぼくは、とう....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
事業であった。あたかもフランスの地方の中流人らが、オルレアンの少女の歌をすっかり
諳誦《あんしょう》するように、彼はその辞典の綱目をことごとく
諳誦し得たかもしれな....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
えると、彼はたいへん笑った。何を知ってるかと尋ねてみた。彼女は覚えてることをみな
諳誦《あんしょう》してみせた。彼はびっくりして言った。 「どうだい、俺《おれ》が....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
しかかったころ、佐竹は語りはじめた。まえにも何回となく言って言い馴れているような
諳誦口調であって、文章にすればいくらか熱のある言葉のようにもみえるが実際は、れい....
「些細な事件」より 著者:井上紅梅
幼少の時読み馴れた「子曰詩云《しのたまわくしにいう》」のように、今その半句すらも
諳誦《あんしょう》し得ないが、たった一つこの小さな事件だけは、いつもいつもわたし....
「飯田蛇笏」より 著者:芥川竜之介
飯田蛇笏なるものの作句を二つ三つ尋ねて見た。赤木は即座に妙な句ばかりつづけさまに
諳誦した。しかし僕は赤木のように、うまいとも何とも思わなかった。正直に又「つまら....
「いわゆる「反省」は我々を救うか」より 著者:岸田国士
けたいためではない。軍人勅諭が、軍人は政治に関与すべからずと厳に戒め、それを毎日
諳誦して暮して来た所の軍人が、そのことを暗んじているというだけで、常に反省の実が....
「母の話」より 著者:岸田国士
よりです。 今日も、ローズ・ブノワさんは読方で習ったところをちっとも間違えずに
諳誦しました。それで、いいお点をいただきました。エムリーヌ・カペルさんも、算術の....