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諸共
「諸共〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
諸共の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
さが二峰を人工の庭の山のように見せ、その下のところに在る藁葺《わらぶき》の草堂|
諸共《もろとも》、一幅の絵になって段々近づいて来る。 柴の門を入ると瀟洒《しょ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
したな。御説に因れば、好いた女なら娼妓でも(と少しおまけをして、)構わん、死なば
諸共にと云う。いや、人生意気を重んず、(ト歯をすすって)で、ごわりまするが、世間....
「夜泣き鉄骨」より 著者:海野十三
体を、くの字なりに、ぐっと曲げていよいよ飛びこむ用意をした。 「やッ!」 懸声
諸共、わしは、身体を宙に浮かせて、左手をウンと、さしのべると、ここぞと思う空間を....
「赤外線男」より 著者:海野十三
クするように戸口がサッと開いた。 「さア、こっちへ這入れ!」 熊岡警官の怒号と
諸共、黒インバネスを着た一人の男が転げこんできた。署員は総立ちになった。「何だ、....
「地中魔」より 著者:海野十三
と兄貴株の紳士|鴨四郎がいった。「昨日のラジオじゃ、エンプレス号は午前中に金貨と
諸共、海底に沈んだそうで、それが間もなく潜水夫を入れて探したところ、もう百万弗の....
「ある抗議書」より 著者:菊池寛
ば、いくら気の弱い母でも、之ほどの悲嘆には暮れなかったのでありましょうが、夫婦|
諸共兇悪な強盗の為に惨殺されたと云う恐ろしい激動は、母には堪えられなかったのであ....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
した船側の上を滑り台のように滑って、どさりと百花咲き乱れる花壇の真中に、トランク
諸共尻餅をついたのであった。 5 なにがさて、気の短い金博士のことで....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
鞄を跨ぎ、首に掛けた風呂敷包みを外ずしもしないで揺っておく。 「一蓮託生、死なば
諸共、捻平待ちやれ。」と、くすくす笑って、小父者も車にしゃんと乗る。…… 「湊屋....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
んは背を支えて、どッさり尻をついて膝を折りざまに、お米を内へ抱え込むと、ばったり
諸共に畳の上。 この煽りに、婆さんが座右の火鉢の火の、先刻からじょうに成果てた....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
ら遠くもあらず、横町の怪我を見ると、我を忘れたごとく一飛に走り着いて、転んだ地へ
諸共に膝を折敷いて、扶け起そうとする時、さまでは顛動せず、力なげに身を起して立つ....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
咽喉をせめて、思いを一処に凝らそうとすれば、なおぞ、千々に乱れる、砕ける。いっそ
諸共に水底へ。 が、確にその人が居ようか怪しい。……いや、まさしく、そこに、い....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
にさせる道でない。 心を山伏に語ると、先達も拳を握って、不束ながら身命に賭けて
諸共にその美女を説いて、悪き心を飜えさせよう。いざうれ、と清水を浴びる。境も嗽手....
「取返し物語」より 著者:岡本かの子
宗ながら忰源兵衛の菩提も、こなたで弔い追善供養。三密|瑜伽の加持力にて、安養成仏
諸共に、即身成仏兼ね得させん。心を安めよ仏子源右衛門』 源右衛門(額ずきつつ)『....
「活人形」より 著者:泉鏡花
するか眼を着けろ。「飲込ました。「実に容易ならぬ襤褸が出た。少しでも脱心が最後、
諸共に笠の台が危ないぞ。と警戒れば、八蔵は高慢なる顔色にて、「たかが生ッ白い痩せ....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
から村一統も焼払われたという噂なぞ聞えて来た。 この災害を蒙って若し死なば富士
諸共だ。灰、石の降る中に在って慧鶴の覚悟はだんだんこういう風に神秘化して来た。こ....