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諸所
「諸所〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
諸所の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
んだん山道に差し掛かる。道は少しも険阻ではないが、ただ連日の大雨《たいう》のため
諸所《ところどころ》山崩れがあって、時々頭上の断崖からは、土石がバラバラと一行の....
「第五氷河期」より 著者:海野十三
なかった。ようやく冬に入ったばかりであるのに、大東京の積雪は五メートルに達した。
諸所で、家屋が倒壊した。雪の重味が、いよいよ屋根のうえから加わったのであった。人....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
年に彼はその業績のために化学に関するノーベル賞を獲たのであるが、その他にも欧米の
諸所の大学や学会から種々の栄誉ある賞や称号を授けられた。 溶液の研究は言わば彼....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
たと、残念でたまらない。なぜなら、その後父は不図心変りがして船を下り、妾を連れて
諸所|贅沢な流浪を始めたが、妾が十歳の秋に、この東京に滞在していたとき、とうとう....
「賤ヶ岳合戦」より 著者:菊池寛
かったと云う。馬は馬なりに信用すればいいものと見える。一益は長島に在って予め兵を
諸所に分ち、塁を堅くして守って居た。秀吉自ら、亀山城に佐治新助を攻めたが、新助よ....
「絵本の春」より 著者:泉鏡花
そのままで、辛うじて凌いだが、平屋はほとんど濁流の瀬に洗われた。 若い時から、
諸所を漂泊った果に、その頃、やっと落着いて、川の裏小路に二階|借した小僧の叔母に....
「凧の話」より 著者:淡島寒月
から、初春の江戸の空は狭きまでに各種の凧で飾られたものである。その時分は町中でも
諸所に広場があったので、そこへ持ち出して揚げる。揚りきるとそのまま家々の屋根など....
「一寸怪」より 著者:泉鏡花
って此処へある時村のものが、貉を生取って来て殺したそうだが、丁度その日から、寺の
諸所へ、火が燃え上るので、住職も非常に困って檀家を狩集めて見張となると、見ている....
「妖怪談」より 著者:井上円了
東京近辺には多くの線路がありまして、間断なく汽車は動いておりますので、汽笛の音も
諸所でいたしますけれども、昼間のうちは騒がしいために聞こえませぬ。もし聞こえても....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
せざるも、名称によりて答うるのみ。取るべき説なし。 生、これを研究せんと欲し、
諸所に臨みて人の行うところを試むるに、信仰薄きものは、たとえ三十分間おさえおるも....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
も格別沢山はない。五、六寸積って居る所もあればまた積って居らぬ所もある。あるいは
諸所に雪融の痕があって石がゴロゴロ転がって居るというような所も随分あったです。
....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
思ったほどひどくは悪化していなかった。黒河河畔のイギリス軍の敗戦後、全島にわたる
諸所に一揆が勃発し、遠隔地方の反乱は公然のものであった。それだのにチロオヌは好機....
「神は弱いものを助けた」より 著者:小川未明
も幾日も、天気ばかりがつづいて、雨というものがすこしも降りませんでした。そして、
諸所方々の水が涸れてしまって、井戸の水までが日に日に少なくなるのでありました。 ....
「あほう鳥の鳴く日」より 著者:小川未明
若者は、小さいときから、両親のもとを離れました。そして
諸所を流れ歩いていろいろな生活を送っていました。もはや、幾年も自分の生まれた故郷....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
なか放置して置けません。 最近医学の進歩につれて、この性欲なるものは、人体内の
諸所より血液中へ分泌される内分泌物、すなわちホルモンの司る作用であって、そのホル....