諸物[語句情報] »
諸物
「諸物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
諸物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「新生」より 著者:島崎藤村
り、終《しまい》には客は岸本一人になってしまった。食堂も極く淋《さび》しかった。
諸物価騰貴でヤリキレないとこぼしこぼししていた主婦《かみさん》が結局そこを畳んで....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
』De Rerum Natura 巻一、一〇二一―一〇二八)。 『まことは、原始
諸物資は何らの知恵ある考慮によってそれぞれ適宜の順序に排列されたものではなく、ま....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
半蔵は自分の居間としている本陣の店座敷で話した。 銭相場引き上げに続いて急激な
諸物価騰貴をひき起こした横浜貿易の取りざたほど半蔵らの心をいらいらさせるものもな....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
々に達し、三百の諸侯を頤使した旧時のごとくに大いに幕威を一振しようと試みていた。
諸物価騰貴と共に、諸大名が旅も困難になった。道中筋の賃銀も割増し、割増しで、元治....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
る。それかあらぬか、新紙幣の適用が仰せ出されると間もなく、半蔵は行く先の商人から
諸物価のにわかな騰貴を知らされた。昨日は一|駄の代金二両二分の米が今日の値段は三....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
飄然と出かけた。戸長の旅費、一日十三銭の定めとは、ちょっと後世から見当もつかない
諸物価のかけ離れていた時代だ。それも戸敷割でなしに、今度は彼が自分|賄いの小さな....
「分配」より 著者:島崎藤村
あったことを考えて、互いに遠く来たことも思った。 不景気、不景気と言いながら、
諸物価はそう下がりそうにもないころで、私の住む谷間のような町には毎日のように太鼓....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
実に驚くべき程で、途中の神社仏閣、地理風俗、旅館、建場茶屋、飲食店、諸種の見聞、
諸物価など、ことごとく明細に記入してある。後日の参考に書き留めて置いたのであろう....
「老夫婦」より 著者:黒島伝治
かり前にはそうでもなかったが、近年になるに従って百姓の暮しは苦るしくなっていた。
諸物価は益々騰貴するにもかゝわらず、農作物はその割に上らなかった。出来ることなら....
「村芝居」より 著者:井上紅梅
添いの空地に突立っている一つの舞台だ。ぼんやりとした遠くの方の月夜の中で、空間の
諸物がほとんどハッキリ分界していなかった。わたしは画の中の仙境がここへ出現したの....
「一商人として 」より 著者:相馬愛蔵
年の信用を一朝にして失い、閉店倒産したものが少なくなかった。大正四年開戦の当初は
諸物価一時下落したが、たちまちにして騰勢に変じ、漸次その勢いを増して今日は昨日よ....
「酒渇記」より 著者:佐藤垢石
聞雑考』の記すところでは――味噌は甲午の夏五月より、金一両二十貫四百目になりぬ。
諸物の貴きこと此ときに極れり。酒は一升三百三十二文より下価の物なし。それも水を加....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
たとえその後、米穀法の施行などによって十二三円がらみにまで米価が上ったとはいえ、
諸物価……都市工業の製産品はそれにつれてあくまでも騰貴するので追いつく沙汰ではな....
「妖怪学」より 著者:井上円了
心接合したる図にして、人の生時の状況なり。その図中、物生心の三あるは、物は外界の
諸物をいい、生は生体の構造機能をいい、心は精神作用の本位をいう。しかして、人はこ....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
の言語、歴史とともに、一国の独立を保全するに必要なるゆえんなり。別して社会の諸事
諸物、旧を去りて新に就くの際に当たりては、宗教にあらざれば、一国従来の精神を愚民....