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諸肌
「諸肌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
諸肌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「陳宝祠」より 著者:田中貢太郎
はずして女の室で酒を飲んでいた。 それは夏のことで酷く暑かった。封生はいきなり
諸肌を脱いで盃を手にした。杜陽にはその不行儀が面白くなかった。 「此処はあれの室....
「死までを語る」より 著者:直木三十五
今の燕楽軒の前で、書生と、職人の喧嘩があった。 「何っ」 と、叫ぶと、職人が、
諸肌《もろはだ》脱いだので、大阪の喧嘩しか知らぬ私は (これは危険だ、東京で喧嘩....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
来やがったな」 とんぼ口から飛び出したのは、一人の子供……身の丈は四尺ぐらい、
諸肌脱《もろはだぬ》ぎで、手に一本の竿《さお》を持って、ひょいと飛び出したところ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
台の上へ仰向きに寝て足でいろいろの芸をやる。それから力持、相撲のように太った女、
諸肌脱《もろはだぬ》ぎで和藤内《わとうない》のような風をしているその女の腹の上へ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
それを、加勢がまた殖えてきたと見たのか、名古屋の料理屋の親方、河嘉の松五郎は、
諸肌《もろはだ》をぬいでしまいました。
「さあ、お斬りなさい」
が、さあ斬れ、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を知って知り抜いている女軽業の親方お角さんは、その真白な年増盛《としまざか》りの
諸肌《もろはだ》をぬいで、 「今度の仕事は、わたしも一世一代というわけなんですか....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
な》をそこへ抛《ほう》り出した一人の馬子、相撲取と見まがうばかりの体格のやつが、
諸肌《もろはだ》ぬぎに、向う鉢巻で、髭《ひげ》だらけの中から悪口をほとばしらせ、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
仏頂寺弥助はそれに取合わないで、その次の仕事が内ぶところへ両手を入れ、おもむろに
諸肌《もろはだ》を脱いでしまったところです。 「風邪をひくよ、風邪を、変な真似を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
「こう忙がしくっちゃあ、トテもやりきれねえ」 ブツブツ言いながら、先生はついに
諸肌脱《もろはだぬ》ぎになって、向う鉢巻をはじめました。その打扮《いでたち》でま....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
やや控え目にしていたのが、ようやく調子づいて来ると、四方《あたり》に遠慮がない。
諸肌脱《もろはだぬぎ》になった壺振役《つぼふりやく》が、手ぐすね引いていると、声....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
も作法は作法、こうしたものかと見ていると、 「まず壺振りの芸当始まり――こうして
諸肌《もろはだ》ぬぎの、本式は
諸肌なんですが、ここは片肌で御免を蒙《こうむ》りや....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
、どうやら覚束ないと存じながら、連にはぐれた小相撲という風に、源氏車の首抜浴衣の
諸肌脱、素足に草鞋穿、じんじん端折で、てすけとくてく峠へ押上る後姿を、日脚なりに....
「魔王物語」より 著者:田中貢太郎
た。彼は別室へ往って伯父と新八郎に宛てて遺書を書き、再び正太夫の死骸の前へ往って
諸肌を抜いで短刀を腹に擬した。 「早まってはいかん、早まってはいかん」と、云って....
「取舵」より 著者:泉鏡花
も奉ずる能わざりき。 学生の隣に竦みたりし厄介者の盲翁は、この時屹然と立ちて、
諸肌寛げつつ、 「取舵だい※」と叫ぶと見えしが、早くも舳の方へ転行き、疲れたる船....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
にさせれば、火の玉鋭次が根性だけでも不動が台座の岩より堅く基礎しかと据えさすると
諸肌ぬいでしてくるるは必定、あれにもやがて紹介しょう、もうこうなった暁には源太が....