»
謂
「謂〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
謂の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
来ないらしかった。けれども今はもう赤瓦《あかがわら》の家や青瓦の家の立ち並んだ所
謂《いわゆる》「文化村」に変っていた。………
しかし「玄鶴山房」は兎《と》に角....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
と云う事、校長自身が進んで媒酌《ばいしゃく》の労を執《と》る以上、悪評などが立つ
謂《い》われのないと云う事、そのほか日頃私の希望している東京遊学のごときも、結婚....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
いと申し上げて置きました、若殿様が笙《しょう》だけを御吹きにならないと云う、その
謂《い》われに縁のある事なのでございます。
その頃、若殿様は大そう笙を御好みで....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
日あのナポレオン一世を相手に、根気よく読書しているばかりで、いつになったら彼の所
謂《いわゆる》『愛《アムウル》のある結婚』をするのだか、とんと私たち友人にも見当....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
るわ》に通い出した。相方《あいかた》は和泉屋《いずみや》の楓《かえで》と云う、所
謂《いわゆる》散茶女郎《さんちゃじょろう》の一人であった。が、彼女は勤めを離れて....
「片恋」より 著者:芥川竜之介
でなかったら、私だって、とうの昔にもっと好い月日があったんです。」
それが、所
謂片恋の悲しみなんだそうだ。そうしてその揚句に例《エキザンプル》でも挙げる気だっ....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
せる》に、眼を駭《おどろ》かした連中の中で、最もそれを話題にする事を好んだのは所
謂《いわゆる》、お坊主《ぼうず》の階級である。彼等はよるとさわると、鼻をつき合せ....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
学を卒業した、秀才の聞えの高い法学士である。且《かつ》また私の知っている限り、所
謂《いわゆる》超自然的現象には寸毫《すんごう》の信用も置いていない、教養に富んだ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
賞されるのは、不快であると共に、うしろめたい。
こう考えている内蔵助が、その所
謂《いわゆる》佯狂苦肉《ようきょうくにく》の計を褒《ほ》められて、苦《にが》い顔....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
郷隆盛の城山戦死を、無造作に誤伝の中へ数えようとする――それだけで、この老人の所
謂《いわゆる》事実も、略《ほぼ》正体が分っている。成程これは気違いでも何でもない....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
れているのか? 幽霊などを見るからである。こう云う今人の論法は勿論《もちろん》所
謂《いわゆる》循環論法に過ぎない。
況《いわん》や更にこみ入った問題は全然信念....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
十分の後《のち》、畢《つい》に鎖の断《た》たれる時は来た。もっともそれは常子の所
謂《いわゆる》鎖の断たれる時ではない。半三郎を家庭へ縛りつけた人間の鎖の断たれる....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
江口は決して所
謂快男児ではない。もっと複雑な、もっと陰影に富んだ性格の所有者だ。愛憎の動き方な....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
、急であると云う意味であろう。この限りでは菊池寛も、文壇の二三子と比較した場合、
謂う所の生一本の芸術家ではない。たとえば彼が世に出た以来、テエマ小説の語が起った....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
。 ルムフォード伯の功業は、ヴィーデンという大将とデビーとを見出した事であると
謂われるが、ヤングもまたルムフォードに見出された一人である。 ....