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謄
「謄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
謄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
「午前六時三十分上野停車場前集合、同五十分発車……」こう云う箇条が、学校から渡す
謄写版《とうしゃばん》の刷物《すりもの》に書いてある。
当日になると自分は、碌....
「捨児」より 著者:芥川竜之介
んでしまったとか云う事でした。それから横浜へ帰って後、早速母に知れないように戸籍
謄本をとって見ると、なるほど袋物屋の言葉通り、田原町にいた時に生まれたのは、女の....
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
七の頃にはもう濃く礬水《どうさ》をひいた薄美濃紙を宛《あ》てがって絵巻物の断片を
謄《す》き写しすることも出来たし、残存の兜《かぶと》の錣《しころ》を、比較を間違....
「世相」より 著者:織田作之助
人がどうしてこれを手に入れたのか、案外道楽気のある男だと思いながら、読み出した。
謄写刷りの読みにくい字で、誤字も多かったが、八十頁余りのその記録をその夜のうちに....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
。とかくにこの種の痴漢が出没するから婦人の夜間外出は注意しろと、町内の組合からも
謄写版の通知書をまわして来たことがある。わたしの住んでいる百人町には幸いに火災は....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
のではないと反発した。 そこで戸籍しらべとなったが、鶴彌の書斎から出て来た戸籍
謄本を見ると、なるほど伊戸子という庶子の名があった。彼女は十歳であった。そこで亀....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
の熟読中だ。 枯川のイタリア語のハガキの意味はわからんと言ってくれ。保子に判決
謄本とアナルシーと授業料とを忘れないように、ことに授業料を早くと伝えてくれ。留守....
「『十八時の音楽浴』の作者の言葉」より 著者:海野十三
びりちびりと出している。たいへん読者からの反響があって、雑誌が出ると、その問題を
謄写版に刷り、同僚たちにくばって、早く正しく解く競争をやっているという投書があっ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
中には馬琴の外は刊本にも写本にも小説は一冊もなかった。ただ馬琴の作は上記以外自ら
謄写したものが二、三種あった。刊本では、『夢想兵衛』と『八犬伝』とがあった。畢竟....
「瘤」より 著者:犬田卯
すぎても誰もやって来るものもなく、事務室の方で、若い書記の一人が、しきりに何かの
謄写刷をやっている以外、役場には誰一人いないといっていいような有様。 「どうしや....
「沼畔小話集」より 著者:犬田卯
証明」を手に入れてくると言って、急遽東京へ立ったのであった。そして二日して、戸籍
謄本と××子爵の堂々たる紹介状とを持って、また村へやって来た。が、M教師とS画家....
「郊外生活の一年」より 著者:岡本綺堂
。とかくにこの種の痴漢が出没するから婦人の夜間外出は注意しろと、町内の組合からも
謄写版の通知書をまわして来たことがある。わたしの住んでいる百人町には幸に火災はな....
「影」より 著者:岡本綺堂
、あだ名はがら金……。若しインチキだと思召すなら、念のために役場へ行って、戸籍の
謄本をお取りください。あはははははは。 旅人 (羨むように。)あなたは全く朗か....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
あらわれていた。 S夫人はいつの間に取ってあったものか、ハンド・バックから戸籍
謄本を出して、彼に見せながら云った。 「では、この死亡となっているのが貴方なので....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
の逼迫が私の主張に耳を藉す人も生じさせていたが、事変勃発後、私の「戦争史大観」が
謄写刷りにされて若干の人々の手に配られた。こんな事情で満州建国の同志には事変前か....