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謙虚
「謙虚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
謙虚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
ろう」 と、自分の心に、――というより自然に向って問いながら、首をかしげている
謙虚な裸の状態だった。よれよれの五十銭札みたいに使い古された陳腐な言葉の助けを借....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
なる価値を掘りいださんには適しなかった。自然の足下に恐縮して心を形の質とせんには
謙虚でなかった。ただ神経の鋭敏と官能の豊富とに微かな気息を洩らして、感情生活の侵....
「カメラに関する覚え書」より 著者:伊丹万作
、念頭から離さないだけの熱意を持つことが望ましい。 これだけの仕事の幅と深さを
謙虚な気持で正視している人ならば、おそらく無反省に自分の仕事の分野の拡大を喜ぶと....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
時は座右から離されぬ宝典でもあったらしい。かれは家長風の権威をもっていた。それを
謙虚な言葉に包んで、開発の精神を社会に及ぼそうとした。自然を生活するというのであ....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
ム・ワークがとれ、相互練磨の気勢をみせ、常に知的な話題に興味を集め、そして、質実
謙虚な風習を誇っているようにみえるのに、映画俳優の卵の組は、所属会社もまちまちで....
「女優の親」より 著者:岸田国士
なつている。それに対して僕の子供などは多少反撥しているようだ。これからの役者は、
謙虚な態度で勉強するということとは別に、自ら恃むところがなければならぬ。だから、....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
売り物にしようと企てるのは当然のことである。大阪方でもその意を諒し、また一面には
謙虚のこころを以て名優に相当の敬意を表するという用意もあるべきであったが、土地の....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
狷介な負け嫌いであると同時にまた極めて謙遜であって、如何なる人に対しても必ず先ず
謙虚して教を待つの礼を疎かにしなかった。春廼舎を慊らなく思っていたには違いないが....
「大田垣蓮月尼のこと」より 著者:上村松園
き、陶器を焼いて生活の資に充て、他に齎すところ厚く、自らは乏しくつつましく暮し、
謙虚さは失わなかった姿こそ、まことに日本女性の鑑であり、私達にこの厳しい時局下ゆ....
「城」より 著者:カフカフランツ
さだが、それでもKに対しては伏し眼づかいのように見えた。だが、その様子がほとんど
謙虚なほどなので、この男がだれかに恥かしい思いをさせるようなことはありえなかった....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
見聞の狭い慧鶴青年にはまるで世界の知識の種本が蒐められているように思えた。咄嗟に
謙虚な気持が湧いて来て、彼は膝に両肘を突いたまま頭の上で掌を合せた。世の中には、....
「純情主義を想う」より 著者:小川未明
とするかぎり、闘争を意味し、感激を意味し、良心の上に立つことを意味せざるはない。
謙虚と純情と自己犠牲の観念によって、はじめて感激の火は民衆に移されるのである、こ....
「天を怖れよ」より 著者:小川未明
る、文学者、芸術家、若くは真理に忠実な科学者がなかったら、何人か、このものいわぬ
謙虚な動物に対して、擁護すべく注意を喚起したものがあったでしょう。多くの人間は、....
「名もなき草」より 著者:小川未明
思うに、見出そうとすれば、美は、この地上のどんなところにも存在する。たゞ見る人が
謙虚にして、それに対して考うるだけの至誠があれば足りるものだ。凡そ、そこには、子....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
身の最善なものを、私はベートーヴェンに負うている。そうして、あらゆる国々の無数の
謙虚な人々が慰めと生きる力と、そして――(私は魂の清さと真理とを、とはいわない。....