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講談本
「講談本〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
講談本の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「彼」より 著者:芥川竜之介
「どんな人って……やっぱり本を読むのが好きなんですよ。」
「どんな本を?」
「
講談本《こうだんぼん》や何かですけれども。」
実際その家の窓の下には古机が一つ....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
肝腎《かんじん》の「風景」はまだ一枚も仕上《しあ》げません。まず湯にはいったり、
講談本を読んだり、狭い町を散歩したり、――そんなことを繰り返して暮らしているので....
「さようなら」より 著者:田中英光
嘔気がするほど気持が悪く、急いでその場から逃げだすと奥の子供部屋で、愛読していた
講談本にとりついたのを覚えている。 続いて翌年、ぼくは例の大正十二年の震災に逢....
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
彼はそれを聞くと、その意味が分った。 二階に上って行って解いてみると、知らない
講談本だった。彼は本の背をつまんで、頁を振ってみた。ぺったり折り畳まった拾円紙幣....
「碧眼托鉢」より 著者:太宰治
のだ。ボオドレエルを見よ。葛西善蔵の生涯を想起したまえ。腹のできあがった君子は、
講談本を読んでも、充分にたのしく救われている様子である。私にとって、縁なき衆生で....
「木の子説法」より 著者:泉鏡花
ほとんど誰も腹に堪るものは食わなかったのです。――……つもっても知れましょうが、
講談本にも、探偵ものにも、映画にも、名の出ないほどの悪徒なんですから、その、へま....
「ある男の堕落」より 著者:伊藤野枝
れたことがありました。彼はそれを喜んで読むかと思いの外、彼は非常に怒りました。「
講談本なんぞを入れて貰うと看守共が馬鹿にする」というのです。彼のこの子供らしい単....
「露肆」より 著者:泉鏡花
じ色の腕までの手袋を嵌めた手に、細い銀煙管を持ちながら、店が違いやす、と澄まして
講談本を、ト円心に翳していて、行交う人の風采を、時々、水牛縁の眼鏡の上からじろり....
「馬庭念流のこと」より 著者:坂口安吾
ぎ楽しんで出でて名声をもとめることを知らなかったその上の数百年にあるといえよう。
講談本なぞでも、馬庭念流は他流にとって謎の剣法だ。名利をもとめないということは俗....
「影のない犯人」より 著者:坂口安吾
業を志し、別荘内に道場を造って、そこに神蔭流の達人玄斎先生を居住せしめたからだ。
講談本を読むと平手酒造が肺病患者であったような話はあるが、ゼンソク持ちの剣術使い....
「明日は天気になれ」より 著者:坂口安吾
わずがけ」というのがある。河津三郎が股野と相撲をとって勝った手だといわれている。
講談本によると、怪力の股野が河津を吊り上げて今や大地へたたきつけんばかり勝敗定ま....
「不在地主」より 著者:小林多喜二
。 「兄ちゃば皆偉いッて云ってるど。」 健が遅く帰ってくると、腹這いになって、
講談本を読みながら、見向きもしないで、ヘラヘラした調子で云った。 「この恥ざらし....
「棚田裁判長の怪死」より 著者:橘外男
は、何もあながち、棚田の仕置き場の僧侶に限った話ではありません。後年、私が読んだ
講談本にも、豊臣秀吉の家来で、泉州堺の町を焼き払った何とかいう豪気な侍が、火焙り....
「女の首」より 著者:田中貢太郎
みが一めんに出来ていた。その壁と右側の中敷になった隅に小さな机があって、二三冊の
講談本のような本といっしょに眼覚時計を据えてあったが、その時計の音がじめじめと鳴....