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謝す
「謝す〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
謝すの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
教授の雅量に負う所が少くない。唯《ただ》偏狭なる自分が衷心から其《その》雅量に感
謝する事の出来ないのは、遺憾である。
自分は「羅生門」以前にも、幾つかの短篇を....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
れた言葉は「なぜ」に対する答ではない。意外にも甚だ悄然《しょうぜん》とした、罪を
謝する言葉である。
「あたら御役《おやく》に立つ侍を一人、刀の錆《さび》に致した....
「想片」より 著者:有島武郎
ンを自分の都合のために使用したにすぎないのだ。ホイットマンはあるいはエマソンに感
謝すべき何物をか持つことができるかもしれない。しかしながらエマソンがホイットマン....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
私はより高い大きなものに対する欲求を以て、知り得たる現在に安住し得るのを自己に感
謝する。 私の言おうとする事が読者に十分の理解を与え得なくはないかと恐れる。人....
「錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
。御主人の気象によく似ておる。 欣弥、莞爾して撫子の顔を見て、その心づかいを喜び
謝す。撫子嬉しそうに胸を抱く。 二人続いて入る、この一室|襖、障子にて見物の席よ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
「対手は素人だ、憚りながら。」 「昨夜振られてもかい。」 「勿論。」 「直言を感
謝す。」 と俯向いて、袖口をのばすように膝に手を長く置き、 「人|壮んなる時は....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
、 「どうした。」 「もう何も彼も御存じの事だから、ちっとも隠す事はない、ただ感
謝するんだがね、君が連れて来て一足先へ入ったお雪が、今までここに居たのに、どこへ....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
いて、何となく高峰の花という感じがしたのに、賢君の丹精で、机の上に活かったのは感
謝する。 早く行って拝見しよう、……が、また誰か、台所の方で、私の帰るのを待っ....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
したお雪の耳にも、かかる言は聞えたのであろう。 「勿体のうございます。」と、神に
謝するがごとくにいった。 「その意で諦めねえ。おい、そう泣くのは止せ、弱虫だと見....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
! この情に、太く動かされた色が見えたが、面を正しゅう向直った。 「何とも――感
謝する。古疵の悩を覚えさせまい、とそうやって知らん顔をしてくれるのは真に嬉しい、....
「戦争責任者の問題」より 著者:伊丹万作
からもくるが、半分は信念すなわち意志の薄弱からくるのである。我々は昔から「不明を
謝す」という一つの表現を持つている。これは明らかに知能の不足を罪と認める思想にほ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
およそ年紀二十ばかりの時から弟子を取立てた。十年一日のごとく、敬すべき尊むべき感
謝すべき心懸けであるから、音楽に長けたる鴨川夫人が、かつて弟子の中の一|人であっ....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
と称する阿夏品を誦しはじめた。これよりさき金之助は、事故あって、訪問の客に面会を
謝する意を、附添の看護婦に含ませたことはいうまでもない。 「話の続は、今その吾妻....
「活人形」より 著者:泉鏡花
儀は恐々手を曳いて導けば、怪しき婦人は逆らわず、素直に夫婦に従いて、さもその情を
謝するがごとく秋波斜めに泰助を見返り見返り、蹌踉として出行きぬ。 面にべったり....
「西航日録」より 著者:井上円了
宜を得さしめ、遠近の学校および紳士等にいちいち紹介の労をとられたるは、余が深く感
謝するところなり。 バルレー村には三月十一日まで滞留し、その翌十二日より英国の....