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「謝状〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

謝状の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
袖を残した。それは玉子色の羽二重に白麻の裏のとった袋に入れて、別に自筆の手厚い感謝状を添えたものである。 「馬籠の御本陣へも何か残して置いて行ったようなお話です....
光と風と夢」より 著者:中島敦
許すべからざる暴行である。此の首だけは、最上等の絹に包まれ、叮寧《ていねい》な陳謝状と共に、早速、マリエへ送り返されたそうだ。少女は父の手伝に弾薬でも運んでいた....
グスコーブドリの伝記」より 著者:宮沢賢治
年の間にもなかったほど、よくできましたので、火山局にはあっちからもこっちからも感謝状や激励の手紙が届きました。ブドリははじめてほんとうに生きがいがあるように思い....
ビジテリアン大祭」より 著者:宮沢賢治
哺乳《ほにゅう》動物組合、鳥類連盟、魚類事務所などからまで勲章《くんしょう》や感謝状を沢山贈られる訳です。どうです。おわかりになったらあなたもビジテリアンにおな....
風流仏」より 著者:幸田露伴
の昔今を語り、先頃よりの礼厚く演て子爵より礼の餽り物数々、金子二百円、代筆ならぬ謝状、お辰が手紙を置列べてひたすら低頭平身すれば珠運少しむっとなり、文丈ケ受取り....
ああ玉杯に花うけて」より 著者:佐藤紅緑
った。人々はますますふたりの勇気に感激した。そうして町会は決議をもってふたりに感謝状を贈ろうという相談があるなどといった。 「うそをつくことはじつにうまい」と巌....
社会時評」より 著者:戸坂潤
察を後援する心算で、優秀な警官並びに警官類似の行為のあった少数の市民に対して、感謝状と金一封とを贈るの会を、二十五日警視庁内で挙行した。之は前に内務大臣賞を優秀....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
らば地方に遊説して、国民の元気を興《おこ》さんとて、坂崎氏には一片《いっぺん》の謝状を遺《のこ》して、妾と共に神奈川地方に奔《はし》りぬ。実に明治十八年の春なり....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
かつて呼吸器を痛めた経験があるを奇貨とし、主恩で縛りあげて、無理矢理に出鱈目の感謝状と写真を徴発した。これが大正十年、肺病全快広告としてあらわれた写真の嚆矢であ....
それから」より 著者:夏目漱石
てあった梅子の封筒が眼に付いた。代助はこれだと思って、強いて机の前に坐って、嫂へ謝状を書いた。なるべく叮嚀《ていねい》に書く積りであったが、状袋へ入れて宛名まで....