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謬見
「謬見〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
謬見の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宣言一つ」より 著者:有島武郎
ぬのだ。私が第四階級の人々に対してなんらかの暗示を与ええたと考えたら、それは私の
謬見《びゅうけん》であるし、第四階級の人が私の言葉からなんらかの影響を被《こうむ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
て地球は二四時間に一回転すると考えたのである。このティコがいかに当時行われていた
謬見にとらわれていたかということは、彼が人と決闘して鼻の尖端を切り落されたときに....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
を読者に与えるであろうか。 精神生活のみを尊重し、物質生活を卑しいと見ることの
謬見であるのを、私は既に述べた。何故なら、物質生活こそが精神生活の根底であるから....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
というためでないならば、それは吾人になんの役にたとう? 待たれよ! たとい吾人に
謬見《びゅうけん》あろうとも、しばらく許されよ。吾人はみずから
謬見あるべきを知っ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
《へいそく》せしむることにいかなる危険があるかを少しも見なかった。浅慮なる彼らは
謬見《びゅうけん》をいだいて、罪に対する非常なる鈍感をあたかも力の一要素ででもあ....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
。その提出は正義に反しないものでありその受納は義務に反しないものであると、確かに
謬見《びゅうけん》ではあったが、とにかく確信したのである。そこに彼の善意的な所有....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
にも後にも何物もないと思ってるにちがいない。 これらの数ページはそういう彼らの
謬見《びゅうけん》を醒ますだろう。おそらくいつかは世に出版されて、人の精神の苦悶....
「文学の中の科学的要素」より 著者:寺田寅彦
て、科学ばかりではもう始末の付かぬ事は明らかである。この点に対する誤解から種々な
謬見が生れる事は識者の日常目撃するところである。科学のどこを掘り返しても「不可不....
「蔵の二階」より 著者:豊島与志雄
。これが困難だった。耳の錯覚とか、眼の錯覚とか、土蔵の雰囲気とか、戦争についての
謬見とか、そんなことでは、彼女にとっては理由になりそうにない。考えあぐんだ末、桂....
「レーリー卿(Lord Rayleigh)」より 著者:寺田寅彦
るべき仏独語の効能を述べている。また、科学はマテリアリズムに導く、という一般的|
謬見を排し、計算や実験では解けない "higher mysteries of b....
「役人の頭」より 著者:末弘厳太郎
点はどうあろうとも、「国民」として正しく行動しているものとみるべきだというような
謬見をよびおこし、もしくは「その場の議論に勝ちさえすればいい」とか、「免れて恥な....
「決闘」より 著者:神西清
欠陥がある証拠だ。……この『何か』を取り戻さなければならん。さもないかぎり、この
謬見のやむ時はあるまい。」 「だが、どんな標準で強者と弱者を別けるのです?」 「....
「妖怪学」より 著者:井上円了
せるによる。しかして、一夢さめきたれば全部分活動するをもって、一部分の想像の全く
謬見なるを知るに至る。しかりしこうして、夢中によく詩を作り文を解し、算問の答案を....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
れた畸行の一つであった。だが、この椿岳の女道楽を単なる漁色とするは時代を無視した
謬見である。 椿岳は物故する前二、三年、一時|千束に仮寓していた。その頃女の断....
「江戸芸術論」より 著者:永井荷風
《しい》したるが如し。然れどもこはいまだよく江戸演劇の性質を究《きわ》めざる者の
謬見《びゅうけん》なり。余は江戸演劇を以て仏蘭西《フランス》のオペラコミックの如....