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謹聴
「謹聴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
謹聴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
義の同志よ、吾輩の云うことに耳を藉せ」 喚声は三度、市長室の壁を震駭させた。「
謹聴謹聴」という。 「……昨夜のことだ。吾輩の邸は、恐るべき暴漢の一味によって襲....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
くモラーリッシュなものであった。熱心な真面目な言葉があなたの口を突いてきた。私は
謹聴した。けれども私は終わりまで聞くにはよほどもどかしさを忍ばねばならなかった。....
「沼夫人」より 著者:泉鏡花
手に、濡手拭を提げていた。二間を仕切った敷居際に来て、また莞爾すると、……」 「
謹聴、」 と医学士が唐突に云った。 「真面目だよ、真面目だよ。」 「湯上りの、....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
」 「ははあ、そいつが謡ってものか」 「めったに聞けない名人の謡だ。後学のために
謹聴しろ」 「あれ、あんなことをいっていやがる。自分で自分を名人だっていやがる」....
「暗号数字」より 著者:海野十三
、いつになく彼は僕に聞き手としての熱意を強いるのであった。 もちろん僕は大いに
謹聴すると誓ったが、これから思うと、その事件において帆村は、よほど、にがにがしい....
「取舵」より 著者:泉鏡花
れから。」 「うむ、それからもないもんだ。」 「まあそう言わずに折角話したまえ。
謹聴々々。」 「その
謹聴のきんの字だろう。」 「未だ詳ならず。」とその友は頭を掉....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
、映画俳優の卵には後日役に立つに相違ない話だ。けれどもビクターの犬の十五分の一も
謹聴という態度を表しているのは完璧にタダの一人もいなかったね。よそのお客にこんな....
「可能性の文学」より 著者:織田作之助
いる猿の言葉から進化したものである――云々と、私は講演したのだが、聴衆は敬服して
謹聴していたものの如くである。恐らく講師の私を大いに学のある男だと思ったらしかっ....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
、神は蒼生を憫みこそすれ、これを滅亡して快とするような了見の狭い者では有るまい」
謹聴謹聴の声が起る、やがて満堂は水をうったごとくに静まり返る、彼は得意そうに説明....
「妖怪学一斑」より 著者:井上円了
なる諸君が御集会の席で、教育の点から、その一斑をお話しいたす考えでござります。(
謹聴) 私がこれを研究し始めまして以来、諸方から続々、妖怪事実を御報道にあずか....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
える。一人の女の子が壁の際に立って歌を謡う調子で説明の真似をすると、外の女の子は
謹聴しながらその音頭取りの声に和して、チベット風に念仏を唱えるです。それがいかに....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
分かる。 また、当日は午前夜分両度礼拝式があるが、旧教信者のほかはたいてい参席
謹聴しておる。また、平日の運動にもなるべく多数共同して、規律正しくすることを好む....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
より少いことはあるまい」 ――「誰も計算してみたことがないから判らないよ」 「
謹聴、
謹聴」と言うものがある。 「すなわち大阪市は無用なる浪費をしているわけにな....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
にたたかいぬく決意をかためるものであります。(拍手) 以上で講演を終ります。ご
謹聴を感謝申上げます。(拍手) 躍進中国の社会主義万才(拍手) 中日国交回復....
「俗臭」より 著者:織田作之助
が、このときの政江の耳には大変快かった。三亀雄の妻の早引けは帳消しになった。 「
謹聴々々」 伝三郎の妻だ。権右衛門の浪花節が始ったので――。 伝三郎の妻は痩....