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識力
「識力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
識力の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私の父と母」より 著者:有島武郎
とがしばしばあったくらいである。芸術に対しては特に没頭したものがなかったので、鑑
識力も発達してはいなかったが、見当違いの批評などをする時でも、父その人でなければ....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
おもしろい自白をしている。「若いころには、おのが好む絵を描く名人を称揚したが、鑑
識力の熟するに従って、おのが好みに適するように、名人たちが選んだ絵を好むおのれを....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
が出て行って、その眼の底に在る疲れ切った意識の力と、吾輩の眼の底に在る理智的の意
識力とをピッタリと合わせながら『その女の屍体が、土の底に埋まったのはいつの事だ』....
「木魂」より 著者:夢野久作
いることに気が付いた。薄い西日を前にして大浪を打つ動悸と呼吸の嵐の中にあらゆる意
識力がバラバラになって、グルグルと渦巻いて吹き散らされて行くのをジイーッと凝視め....
「新感覚派とコンミニズム文学」より 著者:横光利一
だからである。われわれは個である以上、此の二つの唯心、唯物のいずれか一つをその認
識力に従って、撰ばねばならぬ運命を持っている。 そこでわれわれは、唯心論を撰ぶ....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
ろだ、と云って氏郷を任命したというのだ。おれが天下を取る筈だわ、という意は人々の
識力眼力より遥に自分が優《まさ》って居るという例の自慢である。此話に拠ると、会津....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
感官乃至共通感覚が、個人の精神力の問題から、こうやって、社会に於ける人間生活の認
識力の問題にまで移されたのは、十八世紀のイギリスに於けるスコットランド学派の哲学....
「あとがき(『宮本百合子選集』第六巻)」より 著者:宮本百合子
学の社会性、階級性についての諸観点、および作品の芸術的実感と歴史に対する客観的認
識力との微妙な生きた関係の探求などは、民主的な文学の精髄をなす。なぜなら民主的な....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
られてはいません。文学一般のあらゆる点について、この人は、無尽蔵の知識と鋭敏な鑑
識力を見せます。その雄弁は、力強くて人を感動させ、悲しい出来事について話したり、....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
知識や新文化精神を実際生活の上に当てはめようとするときに当っては、仏教は非凡な鑑
識力と人格とによって批判適切ならしむるのであります。仏教に含んでいる道理の新しい....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
ュアンゾー著『ベートーヴェンの感化力』(一九三六年) この小著は精妙な直観力と鑑
識力との一模範である。 〔Atlantis-Verlag (Berlin-Zu....