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警蹕
「警蹕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
警蹕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
られ、今は、ただもうそのお来客と城主伊豆守のご入来を待つばかりでした。 と――
警蹕《けいひつ》の声とともに、家臣たちがひらめのごとく土下座している中を、伊豆守....
「申陽洞記」より 著者:田中貢太郎
の声とも判らない声が聞えてきた。李生は耳を傾けた。それは国王や大官の路を往く時に
警蹕するような声であった。その声はしだいに近くなってきた。 どうも不思議な事だ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
るので、従者は恐れて早く帰ろうと催促したが、呉は平気で動かなかった。 たちまち
警蹕の声が内からきこえて、衛従の者が紅い絹をかけた金籠の燭を執ること数十|対、そ....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
で、しばらく軒下に休息して夜のあけるのを待つことにしていると、たちまちに道を払う
警蹕の声が遠くきこえました。 「こんな山奥へ今ごろ威めしい行列を作って何者が来る....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ぴったり平伏してお言葉のくだるのを待っていると――。
しッ、しい――ッ、と側で
警蹕《けいひつ》の声がかかる。
と、濃《こ》むらさきの紐が、葵《あおい》の御紋....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
なことをしやアがる……隣近所、気まずい眼顔をあわせていると、シーッ! シッ! と
警蹕《けいひつ》の声。
吉宗公、御着座だ。
三
「用意を」
と吉宗、お傍....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
治は今日お呼出しになりまして、奉行石川土佐守御自身の御吟味、やがてシッ/\という
警蹕の声が聞えますと、正面に石川土佐守|肩衣を着けて御出座、その後にお刀を捧げて....
「魔像」より 著者:林不忘
、と今の今までがやがやしていた連中が慌てて平伏すると、やがて、しいッ、しッ! と
警蹕《けいひつ》を掛けながら、二人のお小姓が御用箱を目八分に捧げて先に立つ。その....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
る》を鳴らす。 さあ、もうそろそろ始まるぞと思っているうちに、動座《どうざ》の
警蹕《けいひつ》を合図に全町の灯火がひとつ残らずいっせいにバッタリと消される。 ....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
ろうと、邦之助しきりに胆田《たんでん》に力を入れている。 と、しいっしっという
警蹕《けいひつ》の声。 襖の引き手にたれた紫の房が、一つ大きく揺れて、開くまも....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
云って仕舞った――イベットの服装は襞がゴシック風に重たく括れ、ラップの金銀の箔が
警蹕の音をたてて居る。その下から夜会服の銀一色が、裳を細く曳いて居る。若し手にし....
「三国志」より 著者:吉川英治
には貴賤老幼が、蒸されるばかりに蝟集していた。 「あれが、劉皇叔よ」 などと、
警蹕のあいだにも、ささやく声が流れる。 この日。 曹操は、「爪黄飛電」と名づ....
「三国志」より 著者:吉川英治
曹操は王位をうけた。 十二旒の冠、金銀の乗用車、すべて天子の儀を倣い、出入には
警蹕して、ここに彼の満悦なすがたが見られた。 さっそく、※都には、魏王宮が造営....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
彼方からヒラヒラ見えた松明と二、三の人影が、 「勅使です。勅使です」 と、
警蹕のように叫びながら走って来た。 勅使もただの勅使でない。 ――笠置からわ....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
悩のなにもわからない。現に、幕府の営中は、それどころでない空気だった。 いまも
警蹕が、 「ご帰館――」 とつたえ、また、 「中御所へ入御」 と側衆から、柳....