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警鐘
「警鐘〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
警鐘の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
も昔も同じことである。 こうして「江戸ッ子衰亡」の事実は、やがて大和民族衰亡の
警鐘を乱打していることになるのではあるまいか。 否、これは疑問でない。明白な事....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
、貴方は不徳なる違約者として充分に責めますよ」と云った、彼の声は絶望した余の耳へ
警鐘の様に響いて居た。
第九十六回 颯《さっ》と戸帳を
余は権田時介の声を....
「新世帯」より 著者:徳田秋声
生温いような風が吹く晩で、じっとしていると、澄みきった耳の底へ、遠くで打っている
警鐘の音が聞えるような気がする。かと思うと、それが裏長屋の話し声で消されてしまう....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
居村から調布まで已に土工を終えて鉄線を敷きはじめた。トンカンと云う鉄の響が、近来
警鐘の如く儂の耳に轟く。此は早晩儂を此巣から追い立てる退去令の先触ではあるまいか....
「惜別」より 著者:太宰治
、一日も早くその粋を学び取るより他は無い。日本の徳川幕府の鎖国政策に向って最初に
警鐘を乱打したのは、蘭学という西洋科学であったという話を聞いている。自分は支那の....
「空襲下の日本」より 著者:海野十三
眺めていた。そのときヒョーヒョーと汽笛は鳴りはじめ、ブーッとサイレンは鳴りだし、
警鐘はガンガン、ガン、ガンと、異様な打ち方を始めた。 「いよいよ非常管制だッ」 ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
はなく、三角形に三箇所も一度に燃えあがったのだ。そのため上甲板は大騒ぎとなった。
警鐘が乱打される。消火班は、日本の飛行機が焼夷弾を落したのかと勘ちがいして、かけ....
「学位について」より 著者:寺田寅彦
者と、それらの人々の学位論文を審査すべき位置にある少数の先輩学者との耳には一つの
警鐘の音のように聞こえる言葉である。 しかし、この流行言葉を口にする人の中で、....
「臨時急行列車の紛失」より 著者:新青年編輯局
もその爆弾は今まさに南|亜米利加から、巴里の空|目蒐けて飛翔の準備中であるという
警鐘は乱打されているのだ。そこで、どうしてもカラタール氏をして仏蘭西の地を踏ませ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
五つの部屋によって、本邸の一郭は形作られていたが、それら部屋部屋の間には、共通の
警鐘が設けられてあって、異変のあった場合には、知らせ合うことになっていた。 こ....
「梟啼く」より 著者:杉田久女
どの起った場合の心細さ絶望的な悲しみは到底筆につくしがたい。 ジャンジャンなる
警鐘の中にいて、病弟をしっかり抱いた母はすこしも取り乱した様もなく、色を失った姉....
「地上」より 著者:島田清次郎
識した瞬間、茂子は、薄明りの冷たい大気をとおして、天地の間より殷々として響き来る
警鐘の音響が自分の聴覚に無限的な圧迫を与えて来るのを感じた。それは恐ろしく大きい....
「子規居士と余」より 著者:高浜虚子
るが、この紀行と前後して居士の俳論、俳話は日々の紙上に現われてそれらは俳句革新の
警鐘となりつつあるのであった。後年『獺祭書屋俳話』として刊行されたものがこれであ....
「藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
ら、脱け出そうと云う気を起さなかったのである。 こうした藤十郎の心に、怖ろしい
警鐘は到頭伝えられたのだ。「また何時もながら伊左衛門か、藤十郎どのの紙衣姿は、も....
「現代茶人批判」より 著者:北大路魯山人
得るのである。 さて、作家よ茶道を知れ、茶家の指導を受けよ……と焦れったそうに
警鐘を乱打しておられる一幕芝居、果たして
警鐘価値ありて、その希望通り現実的に効果....