譬える[語句情報] »
譬える
「譬える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
譬えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「如是我聞」より 著者:太宰治
、甚だ似ている。名所絵はがき。そこには、市民の生活のにおいが何も無い。 論文に
譬えると、あの婦人雑誌の「新婦人の進路」なんていう題の、世にもけがらわしく無内容....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
った人は馬鹿だ」とヴォルテールがいった。少くとも智的生活に固執する人は美人を花に
譬える創意的なことはしない。然しそれを百合の花若しくは薔薇の花に
譬えることはしな....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
目について羨ましくて好意が持てるのです」 復一は人間を表現するのに金魚の雌雄に
譬えるとは冗談の言葉にしても程があるものだとむっとした。しかし、こういう反抗の習....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
いものに見えた。 眼よ。西欧の詩人はこれを形容して星という。東亜の詩人は青蓮に
譬える。一々の諱は汝の附くるに任せる。希くばその実を逸脱せざらんことを。わたくし....
「般若心経講義」より 著者:高神覚昇
るのではありませんか。 おもうに、人生を「橋渡り」に、あるいは「一巻の書物」に
譬えることも、きわめて巧みな譬喩ではありますが、結局、なんといっても私ども人間の....
「朝飯」より 著者:島崎藤村
うして今日まで生きながらえて来たと思われる位。破船――というより外に自分の生涯を
譬える言葉は見当らない。それがこの山の上の港へ漂い着いて、世離れた測候所の技手を....
「イデオロギーの論理学」より 著者:戸坂潤
史的社会的制約」及び「科学の大衆性」へ、夫々帰着することが出来るであろう。敢えて
譬えるならば、それは一切の民族問題がマルクスの「ユダヤ人問題」の公式に帰着するよ....
「歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
をしてむせっぽく、息苦しく、時としては、故知らぬ浮れ心をさえ誘う雲気の様なものに
譬える事も出来る。そうした揺曳に気のつく事も、批評家でなくては出来ぬ事が多い。更....
「「心理試験」序」より 著者:小酒井不木
はり、面白いから面白いのだと答えるより外はないのである。探偵小説は、これを食物に
譬えるならば、一種の刺戟剤であって、「わさび」や「しょうが」を何故好きかと問われ....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
いをされたのは、とりもなおさずこの一点に存すると考えられないことはないのである。
譬えるまでもなく、仮に墨跡が分る具眼者であるとしても自己に能書ありとはかぎらない....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
きには、今度は鰹節の方を動かします。この場合には橋に譬えた鰹節の方を動かし、水に
譬える鉋は動かさないのですから、「橋は流れて水は流れず」です。 物事は、時と場....
「三国志」より 著者:吉川英治
梁の美、華棟の妍、碧瓦の燦、金磚の麗、目も綾なすばかりである。豪奢雄大、この世に
譬えるものもない。 ――が、たちまち一面に、民力の疲弊という暗い喘ぎが社会の隅....