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譬喩
「譬喩〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
譬喩の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
うとする心理劇が、いかに素晴らしいかを知らせるのだった。「そこで、僕がデシル法を
譬喩にした本当の意味を云うと、それが、旗太郎と提琴との関係にあったのだよ。君は気....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
向冴えない。ボーッとしたところは昼の行灯かな」 「昼行灯昼行灯、よい、これはよい
譬喩じゃ」 「昼行灯様! 昼行灯様!」 朋輩どもは葉之助の事を間もなく昼行灯と....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
飾った黄金の鯱ほどに見えようと思う。 美女 あの、人の目に、それが、貴方? 公子
譬喩です、人間の目には何にも見えん。 美女 ああ、見えはいたしますまい。お恥かし....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
破れた釣鐘ほどあって、のう、手頃には参らぬ。」 と云った。神に使うる翁の、この
譬喩の言を聞かれよ。筆者は、大石投魚を顕わすのに苦心した。が、こんな適切な形容は....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
ています、か、お前さんは酔ってるね、だか分らない。 「やあ。」 と、渡りに船の
譬喩も恥かしい。水に縁の切れた糸瓜が、物干の如露へ伸上るように身を起して、 「―....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
えているのは、特に緞子の袴を着した。 盛装した客である。まだお膳も並ばぬうち、
譬喩にもしろ憚るべきだが、密と謂おう。――繻子の袴の襞※とるよりも――とさえいう....
「最古日本の女性生活の根柢」より 著者:折口信夫
。軍勢に硬軟の区別を立てて、軍備えをするわけもないから、優形の軍隊といったふうの
譬喩表現と見る説はわるい。やはり素朴に、女軍人の部隊と説く考えが、ほんとうである....
「学生と先哲」より 著者:倉田百三
というような表現を彼は好んだ。また彼の消息には「鏡の如く、もちひのやうな」日輪の
譬喩が非常に多い。 彼の幼時の風貌を古伝記は、「容貌厳毅にして進退|挺特」と書....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
の公案にも同様な解結の手段がめぐらされている。 鶴見は『正法眼蔵』全体を一つの
譬喩と見ている。梅花はこの
譬喩の中でも代表的なものである。そして春になって梅の花....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
ないのだよ。と云うのは現在の生活が、その泥沼の生活だからさ」 大して気の利いた
譬喩でもなかった。 「まあさ、それはそれとして、彼女は伯爵夫人だのに、どうして料....
「オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
法水はずけずけと云い続けた。 「それは折れた母の愛――なんだよ。ねえ支倉君、この
譬喩の峻烈味はどうだね。 それから、レイアティズの小保内精一には、白蠅取草と黄....
「詩語としての日本語」より 著者:折口信夫
れにも理会の出来るものが現れた。それを今くり返して見ると、そう言うのは、多くは、
譬喩詩に過ぎなかった。われわれは、
譬喩詩の持っている鍵をもって、象徴詩を開いたも....
「炭焼長者譚」より 著者:喜田貞吉
ものであったのである。炭竈に立ち上るかすかな煙は、藻汐焼く火とともに恋のほむらの
譬喩ともなった。己が身の果報の程をもわきまえずして、「炭焼の心とすます月を見るか....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
いか、どうじゃ汝たちにも面白いか、老僧には大層面白いが、と軽く云われて深く浸む、
譬喩方便も御胸の中にもたるる真実から。源太十兵衛二人とも顔見合わせて茫然たり。 ....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
杓の水も半杓しか使わず、半杓は元へ帰してその功徳を後嗣者に譲り与えるというような
譬喩を以て用意のほどを示されております。しかも永平寺で道元禅師が授けられた教育方....