譲り受け[語句情報] » 譲り受け

「譲り受け〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

譲り受けの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
行後には、両親の死後何かに尽力したという親類の某が、二束三文《にそくさんもん》で譲り受ける事に親族会議で決まってしまった。少しばかりある株券と地所《じしょ》とは....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
た。五年の後には小さいながら一箇の独立した農民だった。十年目にはかなり広い農場を譲り受けていた。その時彼れは三十七だった。帽子を被って二重マントを着た、護謨《ゴ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
る。この二代目はまだ二十一で、年も若し、腕も未熟、つまりは先代の看板で三甚の株を譲り受けていると云うだけのことですから、八丁堀の旦那衆のあいだにも信用が薄い。親....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
たが、父の代になりまして石油事業に関係して、店は他人に譲ってしまいました。それを譲り受けた人もまた代替りがしまして、今では別の商売になっていますが、それでも店だ....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
ざいましたら」 静子は云い悪くそうに、 「あれは決して盗んだのではない。正当に譲り受けたのだと申して居りました」 「そうですか。じゃ何か外にあるのでしょう」 ....
青服の男」より 著者:甲賀三郎
那がなくなられますと、すぐ手紙が参りまして、儂はなくなった人の甥っ子だが、別荘さ譲り受ける事になったゞから、前々通り管理していてくんろっていって来ましたゞ。それ....
風流仏」より 著者:幸田露伴
、取って安堵したと知らぬが仏様に其年なられし跡は、山林|家蔵椽の下の糠味噌瓶まで譲り受けて村|中寄り合いの席に肩ぎしつかせての正坐、片腹痛き世や。あわれ室香はむ....
雁坂越」より 著者:幸田露伴
れがために自分がここへ養子に入れて、生活状態の割には山林やなんぞの資産の多いのを譲り受けさせようと思っている我が甥がここへ入れないのであるから、憎いにはあくまで....
風と光と二十の私と」より 著者:坂口安吾
くせ、ひどく色っぽい。ただ、それだけだ。 私は先生をやめるとき、この娘を女中に譲り受けて連れて行こうかと思った。そうして、やがて自然の結果が二人の肉体を結びつ....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
ているこの小冊子は奥附を見ると十九年二月の出版となっている。この書は岩野泡鳴から譲り受けたもので、その当時鶴見が手にした袖珍本と版式に変りはない。そうしてみれば....
弓道中祖伝」より 著者:国枝史郎
法の極意を、完全に記した『養由基』一巻、手写した人は大楠公であった。その養由基を譲り受けて以来、日置弾正正次は、故郷に帰って研鑽百練、日置流の一派を編み出した。....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
た浪人者!」 「そうよ」と浪人も即座に答えた。 「貴殿が手に入れた淀屋の独楽を、譲り受けようと掛け合った者よ。……隠すにもあたらぬ宣ってやろう、浪速の浪人|飛田....
真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
いたに違いない。それでそっと田村をつけて、あの米国人が買わなかったのを見て、之を譲り受け他日ゆっくり真物とかえようと思ったんだろうよ。罪は外国人と詐欺師が負う訳....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
地此地を放浪いて働いていた。その中に同じ故郷人が小さな軽焼屋の店を出していたのを譲り受け、親の名を継いで二代目服部喜兵衛と名乗って軽焼屋を初めた。その時が十六歳....
」より 著者:カフカフランツ
ょうか? 昼のあいだは時間がありませんでした。わたしたちはこの宿屋をひどい状態で譲り受けたのですし、それをりっぱに繁昌させなければなりませんでした。でも、夜はど....