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護物
「護物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
護物の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
ねた、いいですね」 帆村は軽くうなずいた。 「戸浪三四郎が目星をつけて置いた掩
護物は片方の耳の悪い美女赤星龍子だった。龍子の隣りに席をとった彼は消音ピストルを....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
舎の周囲を、グルグル廻っては、しきりに発砲していた。他の一隊は、地に匍い局舎を掩
護物にして、ジリジリと、こっちを向いて進撃してきた。 少尉の部下は、イライラし....
「田原坂合戦」より 著者:菊池寛
中に陥入って算を乱して斃れる。時機はよしと、午後一時頃薩軍は突出して殺到した。掩
護物の作業をして居た官軍の工兵は、その不意に驚いた為、周章は全軍に及んだので、つ....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
。 「さあ壕を掘れ、鹿砦《ろくさい》をつくれ、墻壁《しょうへき》をこしらえろ、掩
護物《えんごぶつ》を設けろ、小杭を打ち込め、竹束を束ねろ! 武器の手入れだ、武器....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
かかった。 私たちの位置はすっかり反対になった。もうちょっと前には、私たちは掩
護物の蔭から身を曝している敵を射撃していたのだが、今では、曝露されていて一撃も返....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
っ黒な恐ろしい姿を現わした。
退却を余儀なくされた縦列は街路に密集し、何らの掩
護物《えんごぶつ》もなく恐るべきありさまで、角面堡《かくめんほう》に向かって猛射....
「近藤勇と科学」より 著者:直木三十五
えて、ぽつぽつと、白煙が立ち、小さい音がした。近藤は前には立木があるが、後方に援
護物が無いと思うと 「退却っ、あすこまで――」 と、叫んで、一番に走り出した。....
「日記」より 著者:宮本百合子
と、又は制限を受けて創作をしないことを、自分の(半ば)無力、微弱な材料に対する庇
護物、並に、外から注ぎ込まれた既成概念として知って、又云って居たのだろう。今自分....