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讃歎
「讃歎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
讃歎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「古狢」より 著者:泉鏡花
翻える状に、背尾を刎ねた、皿に余る尺ばかりな塩焼は、まったく美味である。そこで、
讃歎すると、上流、五里七里の山奥から活のまま徒歩で運んで来る、山爺の一人なぞは、....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
すべき老車夫を懲罰し、憐《あわれ》むべき母と子を厳責したりし尽瘁《じんすい》を、
讃歎《さんたん》するもの無きはいかん。 (明治二十八年四月「文芸倶楽部」)....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
これより先き二葉亭の噂は巌本撫象から度々聞いていた。巌本は頻りに二葉亭の人物を
讃歎して、「二葉亭は哲学者である、シカモ輪廓の大なる人物である、」と激称していた....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
じめは前に引用した維摩講のときの歌や、薬師寺に伝わっている仏足石歌碑の歌や、百石
讃歎の歌やのように短歌であるが、慈覚大師あたりから後では梵讃漢讃の形にならって、....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の勇気を働かしそして大いに喜ぶところの仕事は何かといえば強盗である。最も同国人の
讃歎するところの面白い仕事は強盗である。あるいは他の部落を陥れ幾人の人間を殺すこ....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
て妙な顔つきをして見せる。 「まあ、聞いてからのことだ。それからおれの発明ぶりを
讃歎するなり嘲笑するなり、勝手にしろよ。手っ取り早くいえば、おれは酒の代用品を思....
「素人製陶本窯を築くべからず」より 著者:北大路魯山人
仁清の深遠なる絢爛をやすやすと生み出し、多くの好事家、鑑賞家、愛陶家をしてアッと
讃歎せしめんものと、潜行的野望を懐かれた窯であったことは千慮の一失ともいうべきで....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
五金の光を放ちていたるに、兄弟ともども歓喜び楽しみ、互いに得たる幸福を互いに深く
讃歎し合う、その時長者は懐中より真実の璧の蓮華を取り出し兄に与えて、弟にも真実の....
「風流仏」より 著者:幸田露伴
漢さては五百羅漢、までを胸中に蔵めて鉈小刀に彫り浮かべる腕前に、運慶も知らぬ人は
讃歎すれども鳥仏師知る身の心|耻かしく、其道に志す事深きにつけておのが業の足らざ....
「連環記」より 著者:幸田露伴
考えられる。伝説には此人一乗要訣を撰した時には、馬鳴菩薩竜樹菩薩が現われて摩頂|
讃歎し、伝教大師は合掌して、我山の教法は今汝に属すと告げられたと夢みたということ....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
他作中諸人物は各それぞれの明確さと自然さとをもって描かれているが、特に評家の最も
讃歎するのは、隻脚の海賊ジョン・シルヴァーの性格創造である。この快活、饒舌、柔和....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
、季節の変化、嵐と凪ぎ、冬の沈黙、わがアルプスの夏の活気とざわめき――に、いくら
讃歎し歓喜しても尽せない広大な余地があった。私のあいてが物のすばらしい現象を厳粛....
「苦悩の年鑑」より 著者:太宰治
かんげき》を埋めている悪質の虚偽の説明がまた、こたえられずうれしいらしく、俗物の
讃歎と喝采《かっさい》は、たいていあの辺で起るようだ。全くこちらは、いらいらせざ....
「古典風」より 著者:太宰治
て居ります。床の間の、見事な石の置き物は、富士山の形であって、人は、ただ遠くから
讃歎の声を掛けてくださるだけで、どうやら、これは、たべるものでも、触《さわ》るも....
「烏瓜の花と蛾」より 著者:寺田寅彦
はいつまでも生き延びて現代の文明人の社会にも活動している。蛾をはたき落す猫を羨み
讃歎する心がベースボールのホームランヒットに喝采を送る。一片の麩を争う池の鯉の跳....