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讎
「讎〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
讎の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
に隠して長いあいだお島を庇護《かばい》だてして来た父親に対する何よりの気持いい復
讎《ふくしゅう》であるらしく見えた。
お島も負けていなかった。母親が、角張った....
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
来ませんでしたが、後《のち》に小野庄左衞門は蟠龍軒から怨《うらみ》を受け、遂に復
讎《ふくしゅう》の根と相成りまするが、お話変ってこれは十二月二十三日の事で、両国....
「新生」より 著者:島崎藤村
なぞを聞くことの出来ない人に成ってしまった。独身は彼に取って女人に対する一種の復
讎《ふくしゅう》を意味していた。彼は愛することをすら恐れるように成った。愛の経験....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
路を得ずば、自己――千々岩安彦が五尺の躯まず破れおわらんずる心地せるなり。 復
讎、復
讎、世に心よきはにくしと思う人の血をすすって、その頬の一|臠に舌鼓うつ時の....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
とする恐怖である。最後の彼女の手紙を見た私の心に燃え立ったものは獣のごとき憎悪と
讎敵のごとき怨恨とであった。これは明らかに自己を破るものである。かかる自殺的感情....
「天馬」より 著者:金史良
出ると同時に、曾つては自分が打破せねばならぬと云い且つ又闘ったつもりの封建性の復
讎を、真先に彼女自身受けねばならなかった。当時は結婚しようにも早婚のため妻を持た....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
折れたか、と吃驚して、拾い直して、密と机に乗せた時、いささか、蝦蟆口の、これで復
讎が出来たらしく、大に男性の意気を発して、 (どうするものか!) ぐっと潜って....
「五通」より 著者:田中貢太郎
|疋の豕が死んでいた。 一家の者は喜びあったが、討ちもらした二つの怪しい物が復
讎に来るかも判らないので、万にいてもらうことにして、その豕を焼き馬を煮て御馳走を....
「庚娘」より 著者:田中貢太郎
を験べた。窓の上に一つの凾があった。開けて見ると庚娘の書いた物があって、精しく復
讎の事情を記してあった。皆庚娘を烈女として尊敬し、金を集めて葬ることにした。夜が....
「田七郎」より 著者:田中貢太郎
武は心を痛めながらそこを出て、急いでたくさんの金を邑宰に送り、また百金を七郎の
讎の家へ送ったので、一ヵ月あまりで事がすんで七郎は釈されて帰って来た。母親は悲痛....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
プがここにある」 アハハハハハと皆は一緒になって笑った。阿Qは仕方なしに他の復
讎の話をして 「てめえ達は、やっぱり相手にならねえ」 この時こそ、彼の頭の上に....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
ゅう濃てりとお粉粧をした顔を馬がモリ/\ッと噛みましたから、これは全く馬が多助の
讎を討ったようなものでございます。此の間に太左衞門と五八は表の店へ往って、来合せ....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
て戯れに二十首を作る 橋本蓉塘 金碗孝吉 風雲惨澹として旌旗を捲く 仇
讎を勦滅するは此時に在り 質を二君に委ぬ原と恥づる所 身を故主に殉ずる豈悲しむを....
「かたき討雑感」より 著者:岡本綺堂
◇ わが国古来のいわゆる「かたき討」とか、「仇討」とかいうものは、勿論それが復
讎を意味するのではあるが、単に復
讎の目的を達しただけでは、かたき討とも仇討とも認....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
殺しの罪を犯して、その罪がまだ贖われずにいるのですよ。殺された奴の墓の上には、復
讎の悪霊どもがさまよっていて、下手人の帰って来るのを覗っていますよ。
フ....