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谷風
「谷風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
谷風の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「茶わんの湯」より 著者:寺田寅彦
反対の風が吹いています。 これと同じようなことが、山の頂きと谷との間にあって山
谷風と名づけられています。これがもういっそう大仕掛けになって、たとえばアジア大陸....
「白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
する、あまり峻しいから、迂回しようとして、足を踏み辷べらすと、石の谿が若葉を敲く
谷風でも起ったように、バサバサと鳴り出して、大きい石や小さい石が、ひた押しに流れ....
「谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
銀が湛えられる、その上に乗鞍岳が、峻厳にそそり立って、胴から上を雲に没している。
谷風がさやさやと、川楊の葉に衣擦れのような音をさせて通行する、雲はずんずん進行し....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
前様《ごぜんさま》、光悦屋敷とやらのことは、もう一ぺんよくお考えあそばしませ、大
谷風呂の方は、どちらへ転びましても結構でございますがねえ」 それは女軽業の親方....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いまでも、無提灯で人里を歩くのは礼儀にかないません、つけて参りましょうよ、あの大
谷風呂でお借りした提灯を――」 「無提灯で歩いちゃあ礼儀に欠けるというのは、どう....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ち》はありません。 兵馬が山科に来て、まず草鞋《わらじ》をぬいだのは、同じく大
谷風呂でありました。 それとなく探りを入れてみたが、案ずるがほどのものはなく、....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
春のはつはな 秋たちて幾日もあらねばこのねぬるあさけの風は袂寒しも 万葉 八
谷風にとくる氷のひまごとにうち出る浪や春の初花 古今 一 わが宿の梅の....
「「茶碗の湯」のことなど」より 著者:中谷宇吉郎
、また飛行家にとって重大な問題である突風の解釈にも導かれ、更に進んでは海陸風や山
谷風、また大東亜の空を吹く季節風にまでも、拡張されて行くのである。 昔の仙人は....
「秋の鬼怒沼 」より 著者:木暮理太郎
り暗くなったりして、光と蔭と錯綜した曲線の皺がモクモクと動いているようだ。それが
谷風に煽られて、燎原の火の様に山麓から山頂へと一気に音もなく燃え拡がって行く。ま....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
る。雪渓が続くか、左もなければ大きな瀑があるに相違ないと思った。岩燕が群をなして
谷風に舞い※る木の葉のように飛んでいる。全く壮だなというより外に言葉がない。私達....
「黒部川を遡る 」より 著者:木暮理太郎
斜面で、雑草や灌木が青々と生い茂り、こんもりと盛り上った椈の大木が疎らに散生して
谷風にそよいでいるさまは、人里近くの谷地にポプラの木が生えているような感じである....