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谿谷
「谿谷〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
谿谷の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
の、失敗中にも収穫があったことを話しておこう。それは、バダジャッカのある洪積層の
谿谷から、前世界犀《リノツエロス・アンチクス》の完全な化石が発見されたことだ。こ....
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
は、これからどうなるのであろうか。二人の門下生は、急に目の前が陥没して、数千丈の
谿谷ができたような気がした。 「さあそこで副主任バラ女史に命ずる。博士コハクに属....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
なかへと、運命の手が四人のものを招きよせてゆくのだった。 一行の導かれた盆地は
谿谷の底といった感じで、赭い砂岩の絶壁をジグザグにきざみ、遥か下まで石階が続いて....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
緑の隧道の遥か彼方に大|斜面が延びていたがすなわち富士の山骨であって、大森林、大
谿谷、谷川、飛瀑を孕みながら空へ空へと延している。その中腹に雲が懸かり、雲を貫い....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
廻した。 文政元年秋の事でここ八ヶ嶽の中腹の笹の平と呼ばれている陽当りのよい大
谿谷には真昼の光が赭々と今一杯に射し込んでいる。既に八つの峰々には薄白く初雪が見....
「火星探険」より 著者:海野十三
絵にかいたようだというが、それ以上にうるわしい風景だった。そして一日のうちに、大
谿谷はいくたびも違った顔をしてみせた。すがすがしい朝の風景、真昼になってじりじり....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
から四年前のこと、日本アルプスで、私の友人である古神行基という子爵が雪崩のために
谿谷深くさらわれて行方不明になりました。救護隊も駆付けましたが、谿が深くて手の施....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
百倍か大きいものであった。月面は青白く輝き、くっきり黒い影でふちをとられた山岳や
谿谷が手にとるようにありありと見えた。殊に放射状の深い溝を周囲に走らせている巨大....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
のすごくはないかと感じられる位のものでございます。私達の辿る小路のすぐ下は薄暗い
谿谷になって居て、樹叢の中をくぐる水音が、かすかにさらさらと響いていましたが、気....
「月世界跋渉記」より 著者:江見水蔭
こちらからもそれに応じて各自にハンケチを振った。 「博士だ※」 数万丈の
谿谷に博士と再会 近付くのを見ると、いよいよ博士だ。二少年はバラバラと駆け出し....
「入れ札」より 著者:菊池寛
彼の眼は、暫らくの間、四十年見なれた懐しい山の姿に囚われていた。赤城山が利根川の
谿谷へと、緩い勾配を作っている一帯の高原には、彼の故郷の国定村も、彼が売出しの当....
「大叫喚」より 著者:岩村透
当時などは、その不完全な工事の為めに、高い崖の上に通っている線路が脱れたり、深い
谿谷の間に懸っている鉄橋が落ちたりして、為めに、多くの人々が、不慮の災難に、非命....
「くぐつ名義考」より 著者:喜田貞吉
る一種の賤民で、なお京都で河原者・坂の者など言われた輩と同じく、社会の落伍者が、
谿谷の間に小屋懸けして住んでいたことから得た名であろう。しかし谷の者の称はひとり....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
ッ」と、誰かが窓から見あげた。 はっと仰ぐと、アイヌ部落の、そのややうち開けた
谿谷の上、海に迫った丘陵の椴松の黒い疎林の、その真っ蒼な空に一点、颯爽と羽風を切....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
から砂へと河原一面に沁み込んで行くように想われた。この後幾年或は幾十百年の間に此
谿谷を旅してこの岩屋に一夜を明かす多くの人の中には、懐いを此岩屋に泊ったことのあ....