豁達[語句情報] » 豁達

「豁達〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

豁達の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
義血侠血」より 著者:泉鏡花
ば、一切《いっさい》の収入はことごとくこれをわが身ひとつに費やすべく、加うるに、豁達豪放《かったつごうほう》の気は、この余裕あるがためにますます膨張《ぼうちょう....
虞美人草」より 著者:夏目漱石
きらいかを尋ねられるのは恨《うら》めしい。小夜子はまた口籠る。小野さんはなぜこう豁達《はきはき》せぬのかと思う。 胴衣《チョッキ》の隠袋《かくし》から時計を出....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
三百人を、わしに貸してたもらぬか」 豪傑が沈黙してしまいました。かねて高村卿は豁達《かったつ》なお方とは聞いていたが、なるほどその通りだと思ったのでしょう。そ....
丹下左膳」より 著者:林不忘
な――はるかに白雲の蓬勃《ほうぼつ》たるを望めば……か、あははははは」 とこの豁達《かったつ》な笑いに忠相もくわわって、ともに語るにたる親交の醍醐味《だいごみ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の後衛だ、オステンドに到着した六千のイギリス兵をわしは捕虜にしてみせよう。」彼は豁達《かったつ》に口をきいた。三月一日上陸(訳者注 エルバ島よりフランスへの)の....
雪の宿り」より 著者:神西清
も御祝著も涙のうちでございます。「いや許せ許せ。俺が悪かったよ」と相変らずの御|豁達なお口振りで、「俺はあれからこっち、この谷奥の庵に住んでいる。真蘂和尚と一緒....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
を切られて、すぐさまあべこべに饗応《もてなし》の材料に供せられた。浪人らしいその豁達《かったつ》さが伝二郎には嬉しかった。いつともなく心置きなく小半刻あまりも茶....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
しかったが、つと顔を上げた時には、すでに、八方睨みといわれたその眼に持って生れた豁達《かったつ》さが返っていた。 「小物は小物だが匕首じゃねえぞ。」誰にともなく....
それから」より 著者:夏目漱石
けれども双方共口へ出しては何も語らなかった。 三千代の兄と云うのは寧《むし》ろ豁達《かったつ》な気性で、懸隔てのない交際振《つきあいぶり》から、友達には甚《ひ....