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「豆粒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

豆粒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
本州横断 癇癪徒歩旅行」より 著者:押川春浪
と落ちた冷たいものがある。 「オヤ、雨が漏ったのか」と、熟視すると、雨ではない。豆粒程の大《おおき》さの生々しい血汐《ちしお》である。 「ヤッ、変だぞ、変だぞ」....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
笑うと、時速六十五|哩という砲弾のようなスピードで、呀っという間に赤オートバイを豆粒位に小さくすることが慣例であって、その度毎に彼は鼻を高くした。 恰度そのこ....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
れば、かの尼とびいりて抱へ出しまゐらせしなり。そのとき焼けたゞれたる傷にて、目は豆粒ばかりに明きて物見え、口は五分ほどあれど食ふに事足り、今年はや七十歳ばかりと....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
り、なめり書いた手紙が出た。それが無骨な漁夫の手から、手へ渡されて行った。彼等は豆粒でも拾うように、ボツリ、ボツリ、然しむさぼるように、それを読んでしまうと、嫌....
超人間X号」より 著者:海野十三
ぐに上へあがって行く。博士の目の前のテレビジョン装置には、研究所や三角岳の建物が豆粒《まめつぶ》のように小さくうつったが、それもたちまち見えなくなって、関東平野....
やんちゃオートバイ」より 著者:木内高音
イは、死にもの狂いになりました。角を曲ると、赤オートバイは、向うの坂の下に小さく豆粒のように見えます。ひどいデコボコの坂です。それでもかまわずポピイは全速力で走....
宇宙の迷子」より 著者:海野十三
では、すぐ滑ってしまうのだ。ジャンガラ星はたいへん小さくて月の一万分の一しかない豆粒星であったのだ。 そしてついでに書きそえておくが、このジャンガラ星はビー玉....
火薬船」より 著者:海野十三
ー船はあやしいよ。むこうも貨物船だが、あのスピードのあることといったら、さっきは豆粒ほどだったのが、今はこうして五千メートルぐらいに近づいている」 「ノーマ号と....
旅なかま」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
かわりに、はねでおなかをたたきました。それは、とぼけた音楽でした。かわいらしい、豆粒のような小鬼どもは、ずきんに鬼火をつけて、広間のなかをおどりまわりました。こ....
一寸法師」より 著者:楠山正雄
た。ふしぎに思ってそこらをお見回しになりますと、靴ぬぎにそろえてある足駄の陰に、豆粒のような男が一人、反り身になってつっ立っていました。宰相殿はびっくりして、 ....
棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
のどす」 私と母とは、交※に感心の首をふって訊ねた。 「私の父は、一丁先にある豆粒が見えるほど目が達者なのです。それで目の前の米粒は西瓜ぐらいに見えるのだそう....
不在地主」より 著者:小林多喜二
あるストーヴに、いざり寄って読んだ。丹念に、一枚の新聞を何日もかかって、一字一字豆粒でも拾うように読んでいた。壊れた、糸でつないだ眼鏡を、その時だけかけた。 ....
温泉雑記」より 著者:岡本綺堂
れば、かの尼とびいりて抱へ出しまゐらせしなり。そのとき焼けたゞれたる傷にて、目は豆粒ばかりに明きて物見え、口は五分ほどあれど食ふに事足り、今年はや七十歳ばかりと....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
うが、二葉亭の如きはその適切な一例であった。自分を局外に置いて見る時は群小作家皆豆粒よりも小さかったが、自分をその中の一人として比較する時は豆粒よりも小さく思う....
木と鳥になった姉妹」より 著者:小川未明
にさしあげます。」と、二人は誓いました。 男は、小さな箱の中から、銀色に光る小豆粒ほどの石を取り出しました。 「さあ、これです、この石をさらの上で、いつまでも....