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「豊熟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

豊熟の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
田舎教師」より 著者:田山花袋
に立って、背景をつくった森や藁葺屋根や遠い秩父の山々があざやかにはっきり見える。豊熟した稲は涼しい風になびきわたった。 幌をかけた車はしずかに街道をきしって行....
読書法」より 著者:戸坂潤
然観や道徳観の残りをこびりつかせているので、それが彼等に芸術に対する本格的要求の豊熟をさまたげているのだとなる。禅坊主やサムライの諸観念、心理、趣味は、元来、芸....
十二支考」より 著者:南方熊楠
三七)。『高僧伝』三に、〈迦施《かし》国白耳竜あり、毎《つね》に衆僧と約し、国内豊熟せしむ、皆信効あり、沙門ために竜舎を起す、並びに福食を設け、毎に夏坐《げざ》....
艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
柚の木の梢高く柚子の実のかかっているのを見るときほど、秋のわびしさをしみじみと身に感ずるものはない。豊熟した胸のふくらみを林檎に、軽い憂鬱を柿に、清明を梨に、素朴を栗に授けた秋は、....
雪柳」より 著者:泉鏡花
に取って、吉原で派手をした、またそれがための没落ですが、従って家郷奥能登の田野の豊熟、海山の幸を話すにも、その「入船帳」だけは見せなかった。もうその頃から、「大....
オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
年間山陰諸国に祭られた中に、ゴコクという名称から誤られて、伯耆の社村では今日五穀豊熟を護るの神として崇められているがごとき極端なものもある。 大黒天はもと戦闘....