豊穣[語句情報] »
豊穣
「豊穣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
豊穣の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「オリンポスの果実」より 著者:田中英光
の純潔《じゅんけつ》のために、それをも差し控《ひか》えて、右の手を伸《の》ばし、
豊穣《ほうじょう》な彼女の肉体を初めて抱きしめたのである」
ぼくは泣きだしたい....
「瓶詰地獄」より 著者:夢野久作
に増し丸々と肥って、康強に、美しく長って行くのです、この島の清らかな風と、水と、
豊穣な食物と、美しい、楽しい、花と鳥とに護られて…………。 ああ。何という恐ろ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
信じた遺俗で、所により穀精と見立てた獣を春になって殺し、その血や骨を穀種と混じて
豊穣を祈るあり、穀を連枷《からさお》で※《はた》いてしまうまで穀精納屋に匿れいる....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
る余りこれに食を供してなるべく田畑を荒さぬよう祈ったのを、後には田畑を守り作物を
豊穣にする神としたので、前に載せた越前の刀根てふ処で、今に猴神に室女を牲した遺式....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
必ず『最勝王経』を転読して月半に至らしむとあって、その詔の発端には風雨順序し五穀
豊穣なるべきため祷った由見える(『続日本紀』十四)。しかるに当時最勝|会《え》を....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
拠れば鼠が神になって大黒天と現じたようだが、『滑稽雑談』二一には、大黒天神は厨家
豊穣の神なるが故に、世人鼠の来って家厨の飲食倉庫の器用を損ずるをこの神に祈る時、....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
んなことを空想しながら、緑色の大きな眼をぐるぐるさせて、ゆたかな牧草地をながめ、
豊穣な小麦や、ライ麦や、蕎麦や、玉蜀黍の畑を見わたし、赤い実が枝もたわわになって....
「二十歳のエチュード」より 著者:原口統三
だ」とニーチェは説く。 そして、「現実の汚濁を恐れずに抱擁したまえ。われわれの
豊穣《ほうじょう》な大地の上に起ち上がりたまえ」と。 けれども、彼を起ち上がら....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
薬及び余の一切の物質的要求の充足を約してくれた吉祥天女が、――また主としては五穀
豊穣を祈るためにまつられた吉祥天女が、――どうしてあのような女の姿に現わされたか....