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「象嵌〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

象嵌の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
び》のまわりへ懸けた十字架形《じゅうじかがた》の瓔珞《ようらく》も、金と青貝とを象嵌《ぞうがん》した、極めて精巧な細工《さいく》らしい。その上顔は美しい牙彫《げ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
は、この云いようのない寂しさは、一体どこから来るのであろう。――内蔵助は、青空に象嵌《ぞうがん》をしたような、堅く冷《つめた》い花を仰ぎながら、いつまでもじっと....
「梓川の上流」より 著者:小島烏水
が万斤の重さで圧《お》す、あまり静《しずか》で、心臓《ハート》形の桔梗の大弁を、象嵌《ぞうがん》したようだ、圧すほど水はいよいよ静まりかえって爪ほどの凸面も立て....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
誰一人として、つめきった呼吸を吐き出さないからであろう。が、その時、中央の大きな象嵌柱身の上に置かれた人形時計が、突然｜弾条の弛む音を響かせたかと思うと、古風な....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
間にいちばんだいじな酸素と窒素の混合物で充填され、そうしてあらゆる膠質的浮游物で象嵌された空間の美しさである。肺臓いっぱいに自由に呼吸することのできる空気の無尽....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
。寝衣の帯を締め直すと共に床の間にあった、銃身へ金と銀と赤銅《しゃくどう》で竜の象嵌《ぞうがん》をしてある秘蔵の室内銃を取り上げました。 室内銃というてもそれ....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
を掻いたついでに、白金の高彫の、翼に金剛石を鏤め、目には血膸玉、嘴と爪に緑宝玉の象嵌した、白く輝く鸚鵡の釵――何某の伯爵が心を籠めた贈ものとて、人は知って、（伯....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
刀がはずれましたか。」 清水の面が、柄杓の苔を、琅※のごとく、梢もる透間を、銀象嵌に鏤めつつ、そのもの音の響きに揺れた。 「まあ、あれ、あれ、ご覧なさいまし、....
「松と藤芸妓の替紋」より 著者:三遊亭円朝
にゃア分らねえが、銀だって云いやすが、この紋がねえ、三蓋松に実の花菱が、そっくり象嵌で出て居るってんだ、こいつア妙じゃアございませんか、これが突込んだ儘で有るん....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
まにうつすのみで、ほかには何物もみえなかった。それは中央の宝石を取り去られた金の象嵌のごとく、または夜の空にかがやく星の消えたるがごとくであった。彼女はその姿と....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
部屋の豪奢が知れようではないか。 座には熊の皮が敷きつめられてあり、襖の取手の象嵌などは黄金と青貝とで出来ていた。 「それにいたしましても高萩では、とんだ無礼....
「決闘」より 著者:神西清
チョッキ代りの幅のひろい革帯やを点検する。この自己観照は、アルバムの検査や高価な象嵌のあるピストルよりもむしろ嬉しそうである。実際彼は、自分の顔つきや、きれいに....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
と、蓋とが、すっと風を吸って、ぴたりと合って、むくりと一個、瓜が据る。肉取り、平象嵌、毛彫、浮彫、筋彫、石め、鏨は自由だから、蔓も、葉も、あるいは花もこれに添う....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
わりの円形の釣香炉でしたとさ。地の総銀一面に浮彫の波の中に、うつくしい竜宮を色で象嵌に透かして、片面へ、兎を走らす。……蓋は黄金無垢の雲の高彫に、千羽鶴を透彫に....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
た北の空に向けた。 冬の間日本海は、殊に多量の雪を日本北アルプスに与えて、自ら象嵌し、蝕鏤し、彫刻する材料たらしめる。私達は夏が来るまで親しく其装飾された山谷....