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「象徴〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

象徴の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
文章」より 著者:芥川竜之介
書ではない。文官と云わず武官と云わず、あらゆる天下の官吏なるものの一生を暗示する象徴である。…… 「それから一つ伺いたい言葉があるのですが、――いや、海上用語じ....
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
、実は羅紗も薄いし、抽斗も素直にあいたことはなかった。これは彼の机よりも彼の家の象徴だった。体裁だけはいつも繕わなければならぬ彼の家の生活の象徴だった。……… ....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
いこ》がどんどん鳴っているだけなんだ。――僕はつらつらそう思ったね。これは人生の象徴だ。我々は皆同じように実生活の木馬に乗せられているから、時たま『幸福』にめぐ....
十円札」より 著者:芥川竜之介
これは一介《いっかい》の商人ではない。我々の生命を阻害《そがい》する否定的精神の象徴《しょうちょう》である。保吉はこの物売りの態度に、今日《きょう》も――と言う....
」より 著者:芥川竜之介
ストフの第一巻もまじっているのに違いなかった。この事実は当時の感傷的な僕には妙に象徴《しょうちょう》らしい気のするものだった。 それから五六日たった後《のち》....
」より 著者:芥川竜之介
写真のほかにも、自炊《じすい》生活に必要な、台所道具が並んでいる。その台所道具の象徴する、世智辛《せちがら》い東京の実生活は、何度|今日《きょう》までにお君さん....
早春」より 著者:芥川竜之介
森林を失った蜥蜴や蛇の標本は妙にはかなさを漂《ただよ》わせている。これはあるいは象徴かも知れない。いつか情熱を失った彼の恋愛の象徴かも知れない。彼は三重子に忠実....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
来ない。もし強いて名づけるとすれば、薔薇《ばら》とか魚とか蝋燭《ろうそく》とか、象徴を用うるばかりである。たとえば我々の帽子でも好い。我々は羽根のついた帽子をか....
弓町より」より 著者:石川啄木
を侵していた時であった。空想化することなしには何事も考えられぬようになっていた。象徴詩という言葉が、そのころ初めて日本の詩壇に伝えられた。私も「吾々の詩はこのま....
生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
はいわば自然の影絵に過ぎないではないか。向こうに見える山はそのまま寛大と希望とを象徴するような一つの生きた塊的であるのに、君のスケッチ帳に縮め込まれた同じものの....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
光の耀いはあった。 動いていた最初のものは欲求であった、 それが生命の霊の最初の象徴であった、 霊魂の奥底を探り求めた賢人等、 彼らは「非有」と「有」との相関し....
聖書」より 著者:生田春月
いる。Kさんが酔うといつもこうだ。二人の話は愈々はずみ出した。僕は調子に乗って、象徴詩を罵り始めた。 「僕は詩壇をあやまるものは今の象徴詩だと思います。象徴詩は....
」より 著者:池谷信三郎
りに。 ――そう? ――僕は窓を見ていると、あれが人間の感情を浪漫的にする麗しい象徴だと思うのです。 ――そう? ――今も人のうようよと吐きだされる会社の門を、....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
同様にダニエルは光の幻影を描き、ジュレミアは天帝の威力を説き、ホシアは神の神秘的象徴に耽って居る。エホバ神に何の変りもないのであるが、各自その天分に応じて、異っ....
蜜柑」より 著者:芥川竜之介
車と、この田舎者の小娘と、そうして又この平凡な記事に埋っている夕刊と、――これが象徴でなくて何であろう。不可解な、下等な、退屈な人生の象徴でなくて何であろう。私....