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象牙
「象牙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
象牙の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「不思議な島」より 著者:芥川竜之介
―どうです、葉巻は?」
しかし老人は子供のようにちょいと首を振ったなり、古風な
象牙《ぞうげ》の嗅煙草《かぎたばこ》入れを出した。これもどこかの博物館に並んでい....
「黒衣聖母」より 著者:芥川竜之介
母《こくいせいぼ》の美しい顔を眺めていた。が、眺めている内に、何か怪しい表情が、
象牙《ぞうげ》の顔のどこだかに、漂《ただよ》っているような心もちがした。いや、怪....
「女体」より 著者:芥川竜之介
った事であろう。彼は、愛も憎《にくし》みも、乃至《ないし》また性欲も忘れて、この
象牙《ぞうげ》の山のような、巨大な乳房《ちぶさ》を見守った。そうして、驚嘆の余り....
「路上」より 著者:芥川竜之介
口《きんぐち》の煙草《たばこ》を啣《くわ》えていた。彼の前には読みかけた書物が、
象牙《ぞうげ》の紙切小刀《ペエパアナイフ》を挟んだまま、さっきからちゃんと開いて....
「るしへる」より 著者:芥川竜之介
、黄昏《こうこん》と共に身辺を去来して、そが珊瑚《さんご》の念珠《こんたつ》と、
象牙に似たる手頸《てくび》とを、えもならず美しき幻の如く眺めしのみ。もしわれにし....
「少年」より 著者:芥川竜之介
ると微醺《びくん》を帯びた父は彼の芸術的感興をも物質的欲望と解釈したのであろう。
象牙《ぞうげ》の箸《はし》をとり上げたと思うと、わざと彼の鼻の上へ醤油の匂《にお....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
《は》わせていると、その細い蔓《つる》や葉がどうも気になって仕方がない。そのほか
象牙《ぞうげ》の箸《はし》とか、青銅の火箸とか云う先の尖《とが》った物を見ても、....
「碁石を呑んだ八っちゃん」より 著者:有島武郎
うな顔をしながら、ばたばた手足を動かしている八っちゃんをよく見ていらしった。 「
象牙のお箸を持って参りましょうか……それで喉を撫でますと……」婆やがそういうかい....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
いたの。どこを通っていらしって?」 返事も聞かないで、ボンボン時計を打仰ぐに、
象牙のような咽喉を仰向け、胸を反らした、片手を畳へ。 「まあ、まだ一時間にもなら....
「三つのなぜ」より 著者:芥川竜之介
女王が遠い国にいたためではなかった。タルシシの船や、ヒラムの船は三年に一度金銀や
象牙や猿や孔雀を運んで来た。が、ソロモンの使者の駱駝はエルサレムを囲んだ丘陵や沙....
「悠々荘」より 著者:芥川竜之介
ら。」 ベルは木蔦の葉の中にわずかに釦をあらわしていた。僕はそのベルの釦へ――
象牙の釦へ指をやった。ベルは生憎鳴らなかった。が、万一鳴ったとしたら、――僕は何....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
飜々と擦違うのを、吃驚した顔をして見送って、そして莞爾……したり……そうした時は
象牙骨の扇でちょっと招いてみたり。……土塀の崩屋根を仰いで血のような百日紅の咲満....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
しながら、「婦は遊女だ、というじゃないか。……(おん箸入。)とかくようだ。中味は
象牙じゃあるまい。馬の骨だろう。」……何ですか、さも、おかしそうに。――そうしま....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
も放し飼いにするやら、玉を集めるやら、錦を縫わせるやら、香木の車を造らせるやら、
象牙の椅子を誂えるやら、その贅沢を一々書いていては、いつになってもこの話がおしま....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ように積みあげて、大よろこびでこの光景を見つめ、白い眼玉をぐるぐるまわしながら、
象牙のような白い歯を耳から耳までむきだして、にたにたしていた。悪戯小僧どもを鞭で....