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「象牙の塔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

象牙の塔の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
野球時代」より 著者:寺田寅彦
彼と同様に全く昔のままで動いているような気がしていたのである。ところが、すすけた象牙の塔はみじんに砕かれた。自分はただ一人の旧世界の敗残者として新世界のただ中に....
ジャーナリズム雑感」より 著者:寺田寅彦
の深い不思議な怪物はジャーナリズムの現象そのものであるかもしれない。 しかし、象牙の塔のガラス窓の中から仮想ディノソーラス「ジャーナリズム」の怪奇な姿をこわご....
C先生への手紙」より 著者:宮本百合子
事を生きて来たのだと申さずには居られません。 概念と、只、自分のみの築き上げた象牙の塔に立て籠って、ちょいちょい外を覗きながら感動して居りました。従って、私は....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いっぱいに乳房を握りしめるとすれば、晩の祈祷《きとう》に蝋燭《ろうそく》を持って象牙の塔(聖母マリア)を歌うよりも、よほど勝《まさ》っている。」 祖父は九十歳....
学生と教養」より 著者:倉田百三
らぬ。 四 社会運動と倫理学 青年層にはまた倫理学を迂遠でありとし、象牙の塔に閉じこもって、現実の世相を知らないものの机上の空論であるとしてかえり見....
学生と先哲」より 著者:倉田百三
衆への没落的の愛を抱かぬ者も予言者たり得ない。そのカラーを汚し、その靴を泥濘へ、象牙の塔よりも塵労のちまたに、汗と涙と――血にさえもまみれることを欲うこそ予言者....
空間概念の分析」より 著者:戸坂潤
ために、理解(その正確な意味は後を見よ)からの通路を有たないこととなり、入口なき象牙の塔の内に閉じ込められて了うこととなるであろう。数学・物理学などにとって通路....
長崎の鐘」より 著者:永井隆
が、また叫んで通った。学生はそれぞれ教室に入り、大学は再びひっそりした真理探究の象牙の塔となった。病院の臨床学科のほうは患者が受付に押しよせて、予診をとる学生の....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
学界のけちんぼである。知的財の守銭奴である。 斯界の権威をもってみずから任じ、象牙の塔にこもって庶民を見くだし、わが国の科学水準の低いのは慨嘆に堪えぬなどと高....
歌う白骨」より 著者:妹尾アキ夫
その船は、一時代前の海上生活を思いださせた。その頃は三層のデッキのある大帆船が、象牙の塔のような高いカンヴァスの帆をはって、堂々海上を航海していたのだ。まだ今の....