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豪奢
「豪奢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
豪奢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
。彼は貧困を脱した後も、貧困を憎まずにはいられなかった。同時に又貧困と同じように
豪奢《ごうしゃ》をも憎まずにはいられなかった。
豪奢をも、――この
豪奢に対する憎悪....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
を拵《こしら》えたり、「青ペン」のお松《まつ》と「お」の字町へ行ったり、たちまち
豪奢《ごうしゃ》を極《きわ》め出しました。「青ペン」と言うのは亜鉛《とたん》屋根....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
乃至《ないし》風評さえ、長所の一つに数えられるのである。しかもあのクレオパトラは
豪奢《ごうしゃ》と神秘とに充《み》ち満《み》ちたエジプトの最後の女王ではないか?....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
うとする政略の意味も幾分かまじって、きょうの饗宴は彼として実に未曽有《みぞう》の
豪奢を極めたものであった。かねてこうと大かたは想像して来た賓客《まろうど》たちも....
「クララの出家」より 著者:有島武郎
時ペルジヤの町に対して勝利を得て独立と繁盛との誇りに賑やか立ったアッシジの辻を、
豪奢の市民に立ち交りながら、「平和を求めよ而して永遠の平和あれ」と叫んで歩く名も....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
る約束をも籠めてある法外なものだとは、やっと後になって気がついたのです。そういう
豪奢な生活に慣れ切ってしまった妾ですもの、一ヶ月働いて三十円や四十円の給料を得る....
「河明り」より 著者:岡本かの子
と箔と絵羽との模様が、揺れ漂い、濤のように飛沫を散らして逆巻き亘っている。徒らな
豪奢のうすら冷い触覚と、着物に対する甘美な魅惑とが引き浪のあとに残る潮の響鳴のよ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
出である。しかし、その楽団の所有者降矢木算哲博士が、はたしてカアル・テオドルの、
豪奢なロココ趣味を学んだものであるかどうか、その点は全然不明であると云わねばなら....
「脳の中の麗人」より 著者:海野十三
の或るビルの前へいった。 宮川は、新調の背広に赤いネクタイをむすんで、とびきり
豪奢な恰好をしているのに対し、矢部は例によって、くたびれきった服に身体をつつんで....
「七宝の柱」より 著者:泉鏡花
緒のあるのを、車夫に聞きながら、金鶏山の頂、柳の館あとを左右に見つつ、俥は三代の
豪奢の亡びたる、草の径を静に進む。 山吹がいまを壮に咲いていた。丈高く伸びたの....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
ひびいて、荒野のあなたに谺していた。ラザルスは海路を行った。 彼の乗船は非常に
豪奢に装飾されていたにも拘らず、かつて地中海の瑠璃色の波に映った船のうちでは最も....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
建物に戸惑いしているばかりであります。幾多の円柱、歩廊、階段の交錯、その荘厳なる
豪奢、その幻想的なる壮麗、すべてお伽噺にでもありそうな造りでした。 そのうち黒....
「荘子」より 著者:岡本かの子
も辞め華々しかった学界の生活からも退いて貧しい栄えない生活にはいってからも、昔の
豪奢な育ちを忘れ果てた様に、何一つの不平もいうところなく彼に従って暮して居る。き....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
は伊藤の全盛時代に椿岳が設計して金に飽かして作ったもので、一木一石が八兵衛兄弟の
豪奢と才気の名残を留めておる。地震でドウなったか知らぬが大方今は散々に荒廃したろ....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
の女は急に気持が変ったらしいんですよ。つまり夫人が余り美しかったのと、想像以上に
豪奢な生活振りだったのとで、嫉ましくもなり、一方ではお金で外国へ追っぱらわれると....