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「豪然〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

豪然の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
じさんの書斎へ忍びこんで、散々に秘密の楽しみを味わった後、そこにあった安楽椅子に豪然と凭れて、おじさん愛用の葉巻をプカプカやっていた。すると誰もいないと思ってい....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
めたものか?」 「誰が一番適任かな?」 「拙者突き止めてお眼にかける!」 こう豪然と云った者がある。佐分利流の槍術指南|右田運八無念斎であった。 「お、右田殿....
鵞鳥」より 著者:幸田露伴
たぬ。悩むがよいサ。苦むがよいサ。」 と断崖から取って投げたように言って、中村は豪然として威張った。 若崎は勃然として、 「知れたことサ。」 と見かえした。身....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
所の出入りもなければ、岩一つ、島一つもない。あるものは有名なる鹿島の荒灘の水が、豪然として人の快腸を洗うあるのみだ。 こんなところを天下の馬鹿野郎に教えたくな....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
太夫は足早にそっちへ進んで行った。はたして一人の大男が、狭い坑道に立ちはだかり、豪然と焚火に当たっていたが、紋太夫を見ると、手を拡げ、大きな声で叫び出した。何の....
流転」より 著者:山下利三郎
浪者の談話そのままであり、そして送られた稿料で膨らんだ蟇口を押えながら、小村が文豪然と気取りながら道頓堀あたりの盛場を、漫歩していたことは疑いもない。 或日そ....
モルガンお雪」より 著者:長谷川時雨
お雪は、モルガンの楽しまない顔色を見てとって、ふと、競馬場で摺《す》れ違うと、豪然と顔を反《そら》して去った老婦人に出逢ったからだと、気がついていた事を、それ....
文学に現れたる東北地方の地方色」より 著者:佐左木俊郎
丘陵の原野を走るが如き観をなせり。山もとより少なからず、しかも変幻出没して雲表に豪然たる偉容を作れるは少なし。中国の山は立てり、東北の山は横はれり、紫苑の花萩の....
今昔茶話」より 著者:国枝史郎
どうだったか? 骨牌を一々たたきつけて打つ、唾を吐く、はなをかむ、歯をせせる、豪然と笑う、相手を睥睨する、足踏みをして喚く、……非社交的の限りをつくしたことで....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
キが呼び止めた。 「私らは東京に帰ろうと思うて、梅田に行くところです」 天狗は豪然と答えた。 「おまえの、その被りものは何だ? 」 「これは酸素吸入器です」 ....
武蔵旅日記」より 著者:山中貞雄
肥後熊本浪人 宮本武蔵政名、とある。 エッと亭主が驚く。 団九郎、床を背に豪然と坐す。 亭主が、 T「それでは 貴方様がッ」 ナンダと団九郎。 亭....