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豪農
「豪農〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
豪農の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
三十を越していた。女は二十三、四であっただろう。供を連れない気楽な旅に出た信州の
豪農の若夫婦らしかった。 市九郎は、二人の身形《みなり》を見ると、彼はこの二人....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
ほどもまえのことでしょう。かの龍の池から一町あまりも離れたところに、黒太夫という
豪農がありました。九郎というのではなく、黒と書くのだそうです。御承知の通り、奥州....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
人、上津浦の一郎兵衛、下津浦の治右衛門、島子の弥次兵衛以下三千七百人、部将皆郷士
豪農の類である。総大将四郎時貞は相津玄察、下津浦の次兵衛と共に二百の麾下を従えて....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
らここへ縁付いて来て、あしかけ三年むつまじく連れ添っていた。かれは武州|熊谷在の
豪農の二番娘で、千両の持参金をかかえて来たという噂であった。 加賀屋の店も相当....
「糸くず」より 著者:国木田独歩
人畜入り乱れて大雑踏をきわめている。この群集の海の表面に現われ見えるのは牛の角と
豪農の高帽と婦人の帽の飾りである。喚ぶ声、叫ぶ声、軋る声、相応じて熱閙をきわめて....
「わかれ」より 著者:国木田独歩
、この家には理由ある一|物なるが、主人青年に語りしところによれば千葉なる某という
豪農のもとに主人使われし時、何かの手柄にて特に与えられしものの由なり。さまで美し....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
。 「宮本さんがね、僕に手紙を下さるんですよ」 宮本というのは或る多額納税者の
豪農の息子で、私より一級の上の秀才であった。 私は何か嫉妬に似たものを呼び起さ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
でございますの」 「ふうむ、なるほど、海苔煎餅」 お品はいそいそと茶を注いだ。
豪農というのではなかったが、お品の家は裕福であった。主人夫婦も人柄で、しかもなか....
「血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
かけているが、以前の浪人とくると、抜き身の槍や薙刀を立て、十人十五人と塊まって、
豪農だの、郷士だのの屋敷へ押しかけて行き、多額の金子を、申し受けたものよ」 ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
などの、庭を取り入れた図面ではなくて、四面を小丘で囲ませて、その中央の低い所へ、
豪農らしい堅固質素の、しかし十分宏壮な家が、作られたところの図面であった。
眉....
「深見夫人の死」より 著者:岡本綺堂
破抜かれるぜ。」 奥さんも私も笑い出した。 多代子はFの町の近在の三好という
豪農のむすめで、兄の透という青年と一緒に上京して、ある女学校に通っている。先生は....
「誤った鑑定」より 著者:小酒井不木
、紐育から程遠からぬ田舎で起った事件です」とブライアン氏は言った。 その地方の
豪農に、ミルトン・ソムマースという老人があった。よほど以前に、夫人に死に別れてか....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
く婦道を守って淡島屋の暖簾を傷つけなかった。 爰に川越在の小ヶ谷村に内田という
豪農があった。(今でもその家は歴とした
豪農である。)その分家のやはり内田という農....
「城」より 著者:カフカフランツ
「それはとても簡単な話ですわ。わたしの父が鍛冶屋で、わたしの今の夫のハンスはある
豪農の馬丁で、しょっちゅう父のところへきたのです。そのころ、クラムと最後に会った....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
敬を受けるです。第四はシェーゴです。即ち
の事で、この種族はその名のごとく古の
豪農あるいは豪商らの子孫であって、今なお多くの財産土地を持って地方において権力が....