»
貉
「貉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
この集にはいっている短篇は、「羅生門」「
貉《むじな》」「忠義」を除いて、大抵過去一年間――数え年にして、自分が廿五歳の時....
「貉」より 著者:芥川竜之介
書紀によると、日本では、推古《すいこ》天皇の三十五年春二月、陸奥《みちのく》で始めて、
貉《むじな》が人に化けた。尤《もつと》もこれは、一本によると、|化人《ヒトニナリ....
「鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
ていることを彼も薄々知っていた。ことに今の口振りで、兄も半九郎もどうやら一つ穴の
貉《むじな》であるらしいことを発見した彼は、日ごろ親しい半九郎に対して、俄《にわ....
「国貞えがく」より 著者:泉鏡花
《あしもと》を見て買倒《かいたお》した、十倍百倍の儲《もうけ》が惜《おし》さに、
貉《むじな》が勝手なことを吐《ほざ》く。引受《ひきう》けたり平吉が。 で、この....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
対次は岳陰荘に踏み留まって、金剛蜻治を表面助手として、内心では「こいつも同じ穴の
貉だわい」とひそかに監視しながら、事件の解釈と新しい証拠の拾集に没頭しはじめた。....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
だが其中家来達は、意外なことを知ることが出来た。お半の方と香具師とが、同じ穴の
貉では無く香具師としてはお半の方を憎みお半の方としては香具師を憎み、互に競って宗....
「御萩と七種粥」より 著者:河上肇
今ではいつ死んでも悔いないだけの、心の満足を得ている積りだ。破れたる※袍を衣、狐
貉を衣る者と、与に立って恥じざる」位の自負心は、窃に肚の底に蓄えている。しかし何....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
て、」 先達は唖然として、 「どうもならん。こりゃ眉毛に唾じゃ。貴辺も一ツ穴の
貉ではないか。怪物かと思えば美人で、人面瘡で天人じゃ、地獄、極楽、円髷で、山賊か....
「貉」より 著者:小泉八雲
登るよりは、むしろ幾哩も※り道をしたものである。 これは皆、その辺をよく歩いた
貉のためである。
貉を見た最後の人は、約三十年前に死んだ京橋方面の年とった商人....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
きた。 (心臓を叩き抜かれた、墓場にいるはずの三伝が蘇ったなんて、なァるほどこの
貉ども、利得金をひとり占めにしようとして、芝居を仕組んでいるな。だがもし、それが....
「一寸怪」より 著者:泉鏡花
越前国丹生郡天津村の風巻という処に善照寺という寺があって此処へある時村のものが、
貉を生取って来て殺したそうだが、丁度その日から、寺の諸所へ、火が燃え上るので、住....
「迷信解」より 著者:井上円了
と称し、狐の代わりに、狸にだまされまた憑かれるといい、佐渡にては狐狸の代わりに、
貉にだまされまた憑かれるといい、隠岐にてはもっぱら猫につきてかく申すとのことであ....
「憑き物系統に関する民族的研究」より 著者:喜田貞吉
働くか、この二つの場合以外にはないのである。かの鬼神・生霊を始めとして、狐・狸・
貉、猫・蛇などの動物の類が来て憑くというのは、この第一の場合である。犬神使い、外....
「活人形」より 著者:泉鏡花
御苦労だが、願います。私どもは後にちっと用事があるから。といえば、もとより同穴の
貉にて、すべてのことを知るものなれば、銀平は頷きて、「へい宜しゅうございます。下....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
あるかい、酒は。」と庄亮の方へ。 「いいつけといたはずだがね。あっはっは、とんと
貉の道だよ。」 「鼬の道とは聞いたが、
貉の道とは、これも初めてだね。」 「そうか....