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「貞女〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貞女の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
はマリアでなければクレオパトラじゃありませんか? しかし人生の女主人公は必ずしも貞女じゃないと同時に、必ずしもまた婬婦《いんぷ》でもないのです。もし人の好《い》....
或る女」より 著者:有島武郎
見せる。……なんという踏みつけかただ。なんという恥さらしだ。倉地の妻はおおそれた貞女ぶった顔を震わして、涙を流しながら、「それではお葉さんという方《かた》にお気....
星座」より 著者:有島武郎
ののように青ざめた。俯向けた前髪が激しく震えだした。今度こそは真から腹を立てて、貞女らしい口をきくだろう、そう渡瀬が思っていると、おぬいさんは忙《いそ》がしく袂....
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
弥五七 よくぞ仰せられた。ははは。 千寿 (やや取りなすように)ほんに、日頃から貞女の噂高いそなたでなければ、さしずめ疑いがかかるところでござりますのう。楽屋へ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
しません。 それに貴女は、島山さんに不快を感じさせながら、まだやっぱり、夫には貞女で、子には慈悲ある母親で、親には孝女で、社会の淑女で、世の亀鑑ともなるべき徳....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
僧らしい画像があったよ。」検事が合槌をうつと、 「ウン、そこでだ。ジナイーダが童貞女生活のうちに、どの程度までこの一派の修道を積んだか? また、なぜ嘘を云わねば....
出家とその弟子」より 著者:倉田百三
飲みつづけではありませんか。 善鸞 この私に摂生を守れと言ってくれるかな。お前は貞女だな。はゝゝゝ。ここで川の景色を見つつ飲み直そう。さっきのお前の陰気な話で気....
中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
多大であったのは、次の話をお聴きくだされば、大抵お判りになるだろうかと思います」貞女峡 中宿県に貞女峡というのがある。峡の西岸の水ぎわに石があって、その形が女....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
駈落をしても可いと、言出した処で、それが通って、世間がみんなそうなれば、かえって貞女だの、節婦だの、というものが、爪はじきをされようも知れないわ。 旦那は、ま....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
う事は、その領地の人民の心によほど深い感動を与えたようでございました。『小櫻姫は貞女の亀鑑である』などと、申しまして、私の死後に祠堂を立て神に祀ってくれました。....
人生における離合について」より 著者:倉田百三
技法、経済的基礎とをもってしても、離合のたびに女性の品位は堕落し、とうてい日本の貞女烈婦のような操持ある女性の品位と比ぶべくもないのである。 人生における別離....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
とがある! それも懺悔だ、お松へのお礼だ! ……おおおおお松、よくまアこれまで、貞女を保ってくらして来たなア。……俺と夫婦にはなったものの、拒んで拒んで拒みとお....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
え。そんなにガブ飲みしたら、からだに悪かれやんが」 すみ子がとめた。 「いよう貞女だな」 と従兄はからかった。「すみちゃん弟の看護はあんたにたのみまっせ」 ....
人狼」より 著者:岡本綺堂
まあ、そう思って無理に諦めるより外はあるまいよ。 源五郎 おいよさんはあの通りの貞女だから、粗相とわかれば何で亭主を恨むものか。 弥三郎 いや、恨まれても仕方が....
四谷怪談異説」より 著者:岡本綺堂
婦別れをして、夫はある屋敷に住み込み、妻もある武家に奉公することになった。お岩は貞女で、再び世帯を持つときの用意として年々の給料を貯蓄しているばかりか、その奉公....