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貞婦
「貞婦〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貞婦の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
ヘエーお嬢さんから、野郎を引ずり込んだと仰しゃるんでげすか」 若「お前さんでも
貞婦《ていふ》両夫に見《まみ》えずということがあるは知ってるでしょう、私だって左....
「さようなら」より 著者:田中英光
、気の進まぬらしいそのひとに、ぼくは口を酸っぱくして、(子供の為に我慢しなさい、
貞婦は二夫に見えず)なぞ古臭い封建的道徳まで説き、ムリヤリ、そのひとと子供を前の....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
んだ」
「或る人問う、いかなるかこれ最大奇蹟《さいだいきせき》。賢者答えて曰く、
貞婦……」
「賢者ってだれですか」
「名前は書いてない」
「どうせ振られた賢者に....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
より見るを得べし。これ蓋し狂者の挙動なればとて、公判廷より許されし、良人を殺せし
貞婦にして、旅店の主翁はその伯父なり。 されど室内に立入りて、その面を見んとせ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
、内心ドノくらい、血の涙を呑んだことか。女ではおれもずいぶん馬鹿を尽しただけに、
貞婦なる女房というものの有難さがわかって来た。さて、それからは、また頭に入って読....
「細木香以」より 著者:森鴎外
ときは、微塵数のパルヴニュウは皆守銭奴となって懺悔し、おいらん王を立つるときは、
貞婦烈女も賢妻良母も皆わけしらずのおぼことなって首を俛るるであろう。 名僧智識....
「マダム貞奴」より 著者:長谷川時雨
の心に反《そ》りが出て、そういう日が多かったかも知れない。けれどもわたしは貞奴を
貞婦だと思う。 気性もの、意地で突っ張ってゆく、何処までも弱い涙を見せまいとす....
「新女大学」より 著者:福沢諭吉
にして、学者間にも再縁論を論ずる者少なきのみか、寡居を以て恰も婦人の美徳と認め、
貞婦二夫に見《まみ》えずなど根拠もなき愚説を喋々して、却て再縁を妨ぐるの風あるこ....
「徳育如何」より 著者:福沢諭吉
これに反して日本においては士人の去就はなはだ厳《げん》なり。「忠臣二君に仕えず、
貞婦両夫に見《まみ》えず」とは、ほとんど下等社会にまで通用の教にして、特別の理由....