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貞潔
「貞潔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貞潔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
生活に一種の英雄澆望主義を覚えるようになります。また、一方身体的に云うと、清貧と
貞潔の名に隠れた驚くべき苦業が、かえって被惨虐色情症的な肉感を誘発して来るのです....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
小さきことであると私は思いたくない。罪はいかに小さくとも恐ろしい。親鸞聖人はその
貞潔のゆえに、きっと法然聖人を尊敬せられたであろうと思われる。蓮照坊は信心決定し....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
分はこの革鞄を開いて片袖は返さぬのである。ただ、天地神明に誓うのは、貴女の淑徳と
貞潔である。自分は生れてより今に及んで、その姿を視たのはわずかに今より前、約三十....
「水の女」より 著者:折口信夫
くは、妾の掌れる后宮の事、宜しく好仇に授け給ふべし。丹波国に五婦人あり。志|並に
貞潔なり。是、丹波道主王の女なり。瓊入媛と曰ひ、第五を竹野媛と曰ふ。(垂仁紀) ....
「紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
たからじゃ。人は、恋に向かって歩み、その方向にひたすら進むものです。正しかったり
貞潔であったにしても、それがなんの役に立ちましょうぞ。そもじの手は、もう動きませ....
「決闘」より 著者:神西清
、アラクチェーエフ〔〕がやったように太鼓の音で起床し就床させるもよい、われわれの
貞潔と美徳を保持するために宦官を置くもよい、今日の狭小な保守的道徳の埒を越える者....
「春雪」より 著者:久生十蘭
気込みときたら、すばらしいもんだった……戦争をしている国の国民の一人として、心の
貞潔《ていけつ》はなくしてしまったが、死んでもリミットだけは守る。手紙もいらない....
「虹の橋」より 著者:久生十蘭
たというのにすぎない。自在に男女の疏通が行なわれる特飲街の習俗の中では、貞操とか
貞潔とかいう観念は、かつて生活の仕組みの中に入ったためしはない。これまでにもいく....
「だいこん」より 著者:久生十蘭
四項を読んでから急にアメリカのやりかたに疑惑をもちだし、戦う国の国民として、心の
貞潔まで犠牲にして、今日までせっせとやっていたことはまちがいだったのかもしれない....
「あなたも私も」より 著者:久生十蘭
カオルは、鼻で笑って、 「秋川には、死んだ細君は永遠の女性で、愛一郎にとっては、
貞潔のマリアなの……部屋を死んだときのままにしておいて、親子でときどきやってきて....
「金狼」より 著者:久生十蘭
。それを手にいれるためなら、どんなことでも恐れてはいられないのだ。こういう場合、
貞潔をまもるとは、そもそもなんの意味をなすものであろう…… 気どったようすで扉....
「「マリー・ロオジェ事件」の研究」より 著者:小酒井不木
た。これだけでも優に致命傷となったであろうと思われる。医師の死体検案書には死人の
貞潔問題が自信をもって記してあり、死者は、野獣的な暴行を加えられたのであると述べ....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
を共にいたしました。それは私の失恋して以来の不断の問題なのです。そして彼が絶対の
貞潔を理想としながら「結婚して
貞潔を守れ」といったのを、自己を知った意見と思って....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
だ海軍卿の首だけを斬ることで満足した。 それは、エリザベスの心情が、氷のような
貞潔で満たされていたから、というようなわけのものでもなかった。それとはまるで違う....
「澪標」より 著者:外村繁
ような女性にも出会わなかったし、肉体的関係を持つこともなかった。しかし妻に対して
貞潔であろうと、強いて努めたわけではない。前述したように、私は女性に対して嗜虐的....