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負う
「負う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
負うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
《ふけ》り乍《なが》ら、とにかく卒業する事の出来たのは、一に同大学諸教授の雅量に
負う所が少くない。唯《ただ》偏狭なる自分が衷心から其《その》雅量に感謝する事の出....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
つどって来た。おぼつかない星明かりに透かして見れば、太刀《たち》をはくもの、矢を
負うもの、斧《おの》を執るもの、戟《ほこ》を持つもの、皆それぞれ、得物《えもの》....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
主人公だった。
こう言う信輔は当然又あらゆるものを本の中に学んだ。少くとも本に
負う所の全然ないものは一つもなかった。実際彼は人生を知る為に街頭の行人を眺めなか....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
が昂《たか》ぶるようになった。が、彼は悪感《おかん》を冒しても、やはり日毎に荷を
負うて、商《あきない》に出る事を止めなかった。甚太夫は喜三郎の顔を見ると、必ず求....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
為に何の拘束もないことであり、即ち神だの道徳だの或は又社会的習慣だのと連帯責任を
負うことを潔しとしないものである。
又
自由は山巓《さんてん》の空気....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
と云うものもある。中にはまた、靴屋だと云っているものもあった。が、呪《のろい》を
負うようになった原因については、大体どの記録も変りはない。彼は、ゴルゴタへひかれ....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
うに見廻した。二人は黙ったままでつまごをはいた。妻が風呂敷を被《かぶ》って荷を背
負うと仁右衛門は後ろから助け起してやった。妻はとうとう身を震わして泣き出した。意....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
度、三度の松風、ささんざの二十七度で、婚姻の事には馴れてござる。 処へ、名にし
負う道学者と来て、天下この位信用すべき媒妁人は少いから、呉も越も隔てなく口を利い....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
九世紀の生物学者は、眼覚めかけて来た個性の要求(それは十八世紀の仏国の哲学者等に
負うところが多いだろう)と社会の要求との間に或る広い距離を感じたのではなかったろ....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
に思われた。 「来ましたよ。」 「二人きりですね。」 と私は言った。 名にし
負う月の名所である。ここの停車場を、月の劇場の木戸口ぐらいな心得違いをしていた私....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
ばかり甘たれかかると、たちまち朱筆の一棒を啖うだけで、気の吐きどころのない、嵎を
負う虎、壁裏の蝙蝠、穴籠の熊か、中には瓜子という可憐なのも、気ばかり手負の荒猪だ....
「滝田哲太郎氏」より 著者:芥川竜之介
れども滝田君自身も亦恐らくは徳田秋声氏の如き、或は田山花袋氏の如き、僕等の先輩に
負う所の少しもない訳ではなかったであろう。 僕は滝田君の訃を聞いた夜、室生君と....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
ある。 後にこの手帳を製本させて、その表紙に書きつけたのに、 「予はこの手帳に
負う処が多い。学者は誰れでもかかるものを集め置くのがよい。一年も引きつづいて、や....
「活人形」より 著者:泉鏡花
なり。 泰助は見るに忍びず。いでまずこの嬢を救い出さん、家の案内は心得たれば背
負うて遁げんに雑作は無しと幕を掲げて衝と出でたり。不意に驚き、「あれ。と叫びて、....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
よほど困ったらしい。村長をやめようとまで言い出したが、私は子供の思想の責任を親が
負う必要はないといって思いとどまらせた。陸士、海兵まで受けた私が憲兵の監視つきで....