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「負け嫌い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

負け嫌いの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
洋一は不服そうに呟きながら、すぐに茶の間《ま》を出て行った。おとなしい美津に負け嫌いの松の悪口《あっこう》を聞かせるのが、彼には何となく愉快なような心もちも....
明暗」より 著者:夏目漱石
延は路を誤まって一歩|深田《ふかだ》の中へ踏み込んだような気がした。彼女に特有な負け嫌いな精神が強く働らかなかったなら、彼女はお秀の前に頭を下げて、もう救《すく....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
る。 中で山王の祭りは六月十五日、昔は神田明神と祭礼の競い合いをして、何がさて負け嫌いの江戸ッ児同士だけに、血の雨を降らしたことも幾度か数知れず、ためにその筋....
山の彼方は」より 著者:宮本百合子
をする棟に侘住まわれた。清少納言はこの時期にも宮仕えしていたのであったが、彼女の負け嫌いな気質と結びついて現れている当時の常識の姿として、枕草子の中にはこの気立....
お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
のお駒と云った五つ違いの娘と同じ腹から産れた者とは思えない程であった。 お関は負け嫌いで小さい内からかなり身巧者に働いた代り何か気に入らないと、引きつめに毛の....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
るようになったのを忘れたかと、それぎり二人は背中合せとなった。ドッチも鼻梁の強い負け嫌いの天狗同志だから衝突するのは無理はない。京伝だったら北斎に花を持たして奇....
曲亭馬琴」より 著者:邦枝完二
面目次第もありいせん」 「来たばかりのおめえが、心配するこたアありゃアしねえや。負け嫌いのくせに、本を漁ろう考えもなく、ただ酒ばかり飲んで、月日を後へ送ってる。....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
仕方なしに笑う……こんな光景がちぎれた画のように残っている。 しかもこれが互に負け嫌いな居士と古白君との永久の別離であったのである。 八 居士は大分....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
半ばこの巧妙なる座談の力があった。 二葉亭は極めて謙遜であった。が、同時に頗る負け嫌いであった。遠慮のない親友同士の間では人が右といえば必ず左というのが常癖で....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
だが、毎年の元旦に町名主の玄関で叩頭をして御慶を陳べるのを何よりも辛がっていた、負け嫌いの意地ッ張がこんな処に現われるので、心からの頭の低い如才ない人では決して....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
他流試合を申込むと多少似通った意気込がないではなかった。が、二葉亭は極めて狷介な負け嫌いであると同時にまた極めて謙遜であって、如何なる人に対しても必ず先ず謙虚し....
日本の伝説」より 著者:柳田国男
善くないのは神様ではなくて、やはり山と山との背競べのように、土地を愛する人たちの負け嫌いが元でありました。松尾のお社なども境内に熊野石があって、ここに熊野の神様....