負んぶ[語句情報] » 負んぶ

「負んぶ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

負んぶの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
うれし涙に詰まったような鼻声で言った。 三人は、四本の足で出発した。 子供を負んぶすることでさえも、非常に肩が痛く、また重いものである。ボーイ長の場合にはは....
縁結び」より 著者:泉鏡花
ないから、よ。」 と叱るように云って、 「母様に逢いに行くんだ。一体、私の背に負んぶをして、目を塞いで飛ぶところだ。構うもんか。さ、手を曳こう、辷るぞ。」 ....
花園の思想」より 著者:横光利一
もんじゃない。お前も、ゆっくり寝てるがいい。もう少しお前が良くなれば、俺はお前を負んぶして、ここの花園の中を廻ってやるよ。」 「うむ、」と妻は静に頷いた。 彼....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
うと思って、もう再び人の脊に依るまいと決心したので、それで上野の往復にも、人々が負んぶしようしようといったのを肯ぜず、我慢して歩き通して驚かしたのであった。今日....
エトナ」より 著者:野上豊一郎
曲りくねって登った所に嶮しい階段のように造られ、海抜二〇〇米の懸崖の上に家が家を負んぶしたような奇観を呈している。家屋の大部分は古代・中世から保存されて来た頗る....
母たち」より 著者:小林多喜二
でなしに、沢山の母たちが毎日のように警察に出掛けて行ったが、母はそこでよく子供を負んぶした労働者風のおかみさんはさッさと自分だけ先きに帰って行ってしまった。背中....
鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
す。小さな女の子をかわいがるものですから、すっかりなついて負われます。 「まあ、負んぶなどして」といいますと、「大木へ蝉が止ったようでしょう」といって揺すぶるの....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
職は不在。だが間もなく、それに代る木野田清太郎老という七十余歳と、ねんねこで孫を負んぶした佐藤八三さんという二人の古老が現われ、じゅんじゅんと、金売り吉次の由来....