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貢物
「貢物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貢物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「両国の秋」より 著者:岡本綺堂
ゃく》でも余分のたくわえなどのあろう筈はなかった。しかもその小遣いの多くはお絹の
貢物《みつぎもの》であった。彼もこの場合には、お絹のところへ無心に行きたくなかっ....
「恩讐の彼方に」より 著者:菊池寛
にも殺されて、その身に付けた下衣《したぎ》までが、殺戮者《さつりくしゃ》に対する
貢物として、自分の目の前に晒《さら》されているのを見ながら、なおその飽き足らない....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
を島台に一荷、もしも御殿様が御門の前にでもお出ましでござりましたら、馬に一駄の御
貢物を贈らねばならぬしきたりじゃそうにござります。それゆえ、今の二人も慌てて早馬....
「古事記物語」より 著者:鈴木三重吉
、女からは手末の調といって、紡いだり、織ったりして得たもののいくぶんを、それぞれ
貢物としておめしになりました。 天皇はまた、人民のために方々へ耕作用の池をお作....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
ました。 海人 東州、静海軍の姚氏がその部下と共に、海の魚を捕って年々の
貢物にしていました。 ある時、日もやがて暮れかかるのに、一向に魚が捕れないので....
「珊瑚」より 著者:田中貢太郎
れたと聞いたので、ひどく不思議に思ったのであった。臧は金を掘りだした時、兄が先ず
貢物の金を隠しておいたものだろうと思って、忿って兄の所へいって兄を責め罵った。大....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ままに法律を定むるがよい、しかしそれは汝ら自身のためにのみとどめよ。シーザーへの
貢物《みつぎもの》は、常に神への
貢物の残りに過ぎない。王侯といえども教義の前には....
「沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
いが」それからその語を翻訳した。 「――沙漠の霊を穢すなかれ。汝らの最も尊敬する
貢物を捧げて立ち去らざれば、沙漠の霊汝らを埋ずむべし――」 突然ラシイヌが笑い....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
だという猿田彦は海岸の住人には人望がなかったらしいな。伊勢からは建国当初海産物の
貢物が夥しかったというが、これも猿田彦のニラミで、ムリに供出させたのかも知れん。....
「日本上古の硬外交」より 著者:国枝史郎
征討せらる。いかでか是に抗し奉らん。ねがわくば爾今以後飼部となり、船柁干さずして
貢物を納め、また男女の調を奉らん。この誓や神明の前に於てす。東より出ずる日西より....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
きの由承諾したことであった。頼朝いかに東海道の惣官たりとも、国家の公道を経由して
貢物を朝廷に送るに干渉すべき道理はないはずであるが、彼はなおかつて藤原基経が、万....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
が出来んで苦しんで居る者ばかりだそうです。
ところがブータンからチベット政府へ
貢物を納めるためにこの村に来て居る者があります。ブータンは一体独立国であるがどう....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ったのである。イギリス艦隊がサン・ミゲルへ進んでいった間に、インド諸島から厖大な
貢物船は無事テルセイラの波止場に走り込んだのだった。サン・ミゲルは、結局のところ....
「古事記」より 著者:太安万侶
口は裂けております。かようの次第で、御世《みよ》ごとに志摩《しま》の國から魚類の
貢物《みつぎもの》を獻《たてまつ》る時に猿女の君等に下《くだ》されるのです。 木....
「えぞおばけ列伝」より 著者:作者不詳
いて,わが入江を見守って暮していた. ヤイレスポとポニポニクフは,毎年,木幣の
貢物を俺にささげて,俺を敬ってくれたので,季節季節の食物を豊かに恵んでやっていた....