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貢米
「貢米〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貢米の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
、百姓の困苦一方ではなかった。家老たちは、袖を連ねて忠直卿の御前に出《い》で、年
貢米の一部免除を願い出《い》でた。が、忠直卿は、家老たちが口を酸《す》っぱくして....
「三四郎」より 著者:夏目漱石
を混ぜて、毎晩杯に一杯ずつ飲んでいるとある。新蔵は家の小作人で、毎年冬になると年
貢米《ねんぐまい》を二十俵ずつ持ってくる。いたって正直者だが、癇癪《かんしゃく》....
「義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
に苦しんどるのに、お上じゃまだ御年貢を取るつもりでいるんじゃてのう。 甚作 御年
貢米の代りに、人間の乾干しを収めるとええぞ。 およし 明和の飢饉じゃて、これほど....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、親の仕事を幾倍かにひろげた。 人も知るように、当時の諸大名が農民から収めた年
貢米の多くは、大坂の方に輸送されて、金銀に替えられた。大坂は米取引の一大市場であ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
内に居所を置き、食邑をわかち与えられている。言って見れば、中津川の庄屋は村方の年
貢米だけを木曾福島の山村氏(尾州代官)に納める義務はあるが、その他の関係において....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
にたどり着いた。そこまで帰って来れば、尾張の大領主が管轄の区域には属しながら、年
貢米だけを木曾福島の代官山村氏に納めているような、そういう特別な土地の関係は、中....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
とその百姓は前置きをして、ある別れの心を告げに来た。聞いて見ると、その男は年
貢米三斗七升に当たる宅地を二年前に宗太から買い取る約束をしたもので、代金二十五円....
「貧しき人々の群」より 著者:宮本百合子
対して、土産物を一つ一つ配ってやらなければならない。朝から小作男の愚痴を聞き、年
貢米を負けてやる相談にのる。そして、かれこれ云うのが面倒なので、さっさと祖母にす....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
を受けた(ブラットンの『ノート・ブック』巻二六)。藤沢君の『伝説』信濃巻に百姓の
貢米《ぐまい》を責められて果す事が出来ないと、領主は百姓の家族の内より、妻なり、....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
て取り立てていた。そこで実際は米の総出来高の十分ノ六分以上、殆んど七分位までも年
貢米として取ったものである。元来この年
貢米はもっぱら国家に対して御軍役その他を勤....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
幡堂からは、年々香水を三条家に送ることこれまた例になっておったのである。三栖の年
貢米は日記大永七年十月二十八日の条に四斗を般舟院から受け取ったとあるが、これのみ....
「農村」より 著者:宮本百合子
た。 そのためこの四五年と云うもの只金ばかりに気を取られて居る町の地主等は、年
貢米の一斤一合の事までひどくせめたてて、元《もと》、半俵位の事ならそうひどい事も....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
ょうど秋の収納が大方終って、儀作自身のような小作階級のものは、例によって地主へ年
貢米や利子払いを殆んど済ましていたし、その他、肥料屋の払いや、村の商い店――油屋....
「白痴の知恵」より 著者:小酒井不木
は相当の財産もあって、女中や作男は置きませんでしたが、村の人に田を作らせて取る年
貢米は、母子二人の生活を支えるに十分でありましたから、瓦葺きのこじんまりした家に....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
聞きな。法律がどうのこうの、政府がどうのこうの、早い話が国税や県税や村税から、年
貢米一切合財、こうやって現にそいつで四苦八苦している俺達五反百姓が自分のことを考....