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貧
「貧〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貧の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
カルメンに扮したのはイイナではない。水色の目をした、鼻の高い、何《なん》とか云う
貧相《ひんそう》な女優である。僕はT君と同じボックスにタキシイドの胸を並べながら....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
母は一粒種の彼を産んだ後さえ、一滴の乳も与えなかった。のみならず乳母を養うことも
貧しい彼の家の生計には出来ない相談の一つだった。彼はその為に生まれ落ちた時から牛....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
明日《あした》は行《ゆ》かないことにしました。」
「どうして?」
「実はその――
貧乏《びんぼう》なんです。」
「常談《じょうだん》でしょう。」
粟野さんはかす....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
《そもそも》僕の愛《アムウル》なるものが、相手にそれだけの熱を起させ得ないほど、
貧弱なものだったかも知れない。だからもし妻と妻の従弟《いとこ》との間に、僕と妻と....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
々お願いの筋がございまして。」
女は慇懃《いんぎん》に会釈《えしゃく》をした。
貧しい身なりにも関《かかわ》らず、これだけはちゃんと結《ゆ》い上げた笄髷《こうが....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
の書いたダニエル・ノオトハフトとを一丸《いちがん》にしたような天才です。が、まだ
貧乏だったり何かするために誰にも認められていないのですがね。これは僕の友人の音楽....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
《ぎんぐさり》を、物々しくぶらさげている。が、この服装のみすぼらしいのは、決して
貧乏でそうしているのではないらしい。その証拠には襟でもシャツの袖口でも、皆新しい....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
、それも少し書いて置きたい。蟹の妻は売笑婦《ばいしょうふ》になった。なった動機は
貧困のためか、彼女自身の性情のためか、どちらか未《いまだ》に判然しない。蟹の長男....
「白」より 著者:芥川竜之介
× ×
二三時間たった後《のち》、白は
貧しいカフェの前に茶色の子犬と佇《たたず》んでいました。昼も薄暗いカフェの中には....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ざいます。どうかわたしの願いをおかなえ下さいまし。
どうか一粒の米すらない程、
貧乏にして下さいますな。どうか又|熊掌《ゆうしょう》にさえ飽き足りる程、富裕にも....
「運」より 著者:芥川竜之介
うごく》辺の知人《しりびと》の家をたずねました。この知人と云うのも、その日暮しの
貧乏人なのでございますが、絹の一疋もやったからでございましょう、湯を沸かすやら、....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
年は十五にて怜悧なり。かの事ありしのち、この家へ小間使というものに来りしとなり。
貧苦心配の間に成長したれど悪びれたる所なく、内気なれど情心あり。主公は朋友の懇親....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
という世間には余り多くない名前であった。父のジェームスは鍛冶職人で、身体も弱く、
貧乏であったので、子供達には早くからそれぞれ自活の道を立てさせた。 ヤコブス・ウ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の強い日に彼が丘の背を大股で歩き、洋服をばくばくと風になびかせてゆくのを見ると、
貧乏神が地上におりてきたのか、あるいは、どこかの案山子が玉蜀黍の畑から逃げだして....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
ながら帰りました。 これまで太郎右衛門の家はただ正直だというだけで、村では一番
貧乏で、一番馬鹿にされて暮した家でしたが、子供を拾ってからは大変|賑やかな幸福な....