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「貧乏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貧乏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十円札」より 著者:芥川竜之介
明日《あした》は行《ゆ》かないことにしました。」 「どうして?」 「実はその――貧乏《びんぼう》なんです。」 「常談《じょうだん》でしょう。」 粟野さんはかす....
或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
の書いたダニエル・ノオトハフトとを一丸《いちがん》にしたような天才です。が、まだ貧乏だったり何かするために誰にも認められていないのですがね。これは僕の友人の音楽....
老年」より 著者:芥川竜之介
ら間もなく親ゆずりの玄米《くろごめ》問屋の身上《しんじょう》をすってしまい、器用貧乏と、持ったが病の酒癖とで、歌沢の師匠もやれば俳諧の点者《てんじゃ》もやると云....
路上」より 著者:芥川竜之介
ているからな。」 大井は書物を抛《ほう》り出して、また両手を懐へ突こみながら、貧乏|揺《ゆす》りをし始めたが、その内に俊助が外套《がいとう》へ手を通し出すと、....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
《ぎんぐさり》を、物々しくぶらさげている。が、この服装のみすぼらしいのは、決して貧乏でそうしているのではないらしい。その証拠には襟でもシャツの袖口でも、皆新しい....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ざいます。どうかわたしの願いをおかなえ下さいまし。 どうか一粒の米すらない程、貧乏にして下さいますな。どうか又|熊掌《ゆうしょう》にさえ飽き足りる程、富裕にも....
」より 著者:芥川竜之介
うごく》辺の知人《しりびと》の家をたずねました。この知人と云うのも、その日暮しの貧乏人なのでございますが、絹の一疋もやったからでございましょう、湯を沸かすやら、....
或る女」より 著者:有島武郎
抜けて来た。それは葉子であればこそし遂《おお》せて来たようなものだった。だれにも貧乏らしいけしきは露ほども見せないでいながら、葉子は始終貨幣一枚一枚の重さを計っ....
或る女」より 著者:有島武郎
一緒に嬶《かかあ》に向けてぶっ飛ばしてあるんだ」 といってあぐらの膝《ひざ》で貧乏ゆすりをし始めた。さすがの葉子も息気《いき》をつめて、泣きやんで、あきれて倉....
杜子春」より 著者:芥川竜之介
には際限がありますから、さすがに贅沢家の杜子春も、一年二年と経つ内には、だんだん貧乏になり出しました。そうすると人間は薄情なもので、昨日までは毎日来た友だちも、....
母を尋ねて三千里」より 著者:アミーチスエドモンド・デ
ブエーノスアイレスへ行ったのですが、それは一家がいろいろな不幸にあって、すっかり貧乏になり、たくさんなお金を払わねばならなかったので母は今一度お金持の家に奉公し....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
という世間には余り多くない名前であった。父のジェームスは鍛冶職人で、身体も弱く、貧乏であったので、子供達には早くからそれぞれ自活の道を立てさせた。 ヤコブス・ウ....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
の強い日に彼が丘の背を大股で歩き、洋服をばくばくと風になびかせてゆくのを見ると、貧乏神が地上におりてきたのか、あるいは、どこかの案山子が玉蜀黍の畑から逃げだして....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
安定なくしては、日本の経済の再建はありません。それは労働者を不逞のやからと呼び、貧乏な日本には労働争議はぜいたくといい、中小企業者は死んで行ってもしかたがない、....
三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
ながら帰りました。 これまで太郎右衛門の家はただ正直だというだけで、村では一番貧乏で、一番馬鹿にされて暮した家でしたが、子供を拾ってからは大変|賑やかな幸福な....