貧困[語句情報] » 貧困

「貧困〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貧困の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
の枝の下の柵によった彼を見上げている。しみじみと、懐しそうに。……… 三貧困 信輔の家庭は貧しかった。尤《もっと》も彼等の貧困は棟割長屋《むねわりな....
猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
、それも少し書いて置きたい。蟹の妻は売笑婦《ばいしょうふ》になった。なった動機は貧困のためか、彼女自身の性情のためか、どちらか未《いまだ》に判然しない。蟹の長男....
軍用鮫」より 著者:海野十三
はいっこう合点のゆかぬ面持であった。 馮大監は、博士ともいわれる人の、理解力の貧困さに呆れかえったが、そのうちに、彼は、いずくんぞしらん楊《ヤン》博士が中国が....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
ったとしたら、それは、余程の楽天家か、愚鈍の者か、さもなければ哀れむべき想像力の貧困なる者である。コロンブスの船がアメリカ大陸に到着する前において、アメリカ・イ....
演技指導論草案」より 著者:伊丹万作
の可能性には限界があり、しかもその限界がかなり低いということと、我々の説明技術の貧困がその限界をさらに低下させているということである。 ○私自身の演技指導はいっ....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
と書いた本がある。日本で、足利時代に作られた「鉢の木」という最も通俗な能の舞は、貧困な武士がある寒夜に炉に焚く薪がないので、旅僧を歓待するために、だいじに育てた....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
作は、彼もうれしさを抑え乍ら、はたで鷹揚に見ている態度だった。年少の画学生時代に貧困で巴里留学を遂げられなかった理想の夢を、彼は今やむす子に実現さしている。運命....
転機」より 著者:伊藤野枝
戻ってきた人などもあるんだそうです。」 買収に応じた人達も、残った人達に劣らぬ貧困と迫害の中に暮さなければならなかった。最初はいいかげんな甘言にのせられて、そ....
映画と音楽」より 著者:伊丹万作
かつたかのいずれかであろう。 第三に準備時間の不足である。 第四に演奏技術の貧困である。これもそういつてわるければ技術の貧困ならざる楽団は高価で雇いにくいか....
新しき世界の為めの新しき芸術」より 著者:大杉栄
士閥に吸収されて了ったものである。もう一つは、此の仕合な兄弟に見棄てられて、其の貧困のどん底に蠢いているものである。紳士閥の政策は、此の後者を絶滅させ、前者を同....
著作権の問題」より 著者:伊丹万作
れてきたことの当然の結果であるが、その中でも、社会救済政策、および文化保護政策の貧困なることは、これを欧米の三、四流国に比較してもなおかつ全然けたちがいでお話し....
迷信解」より 著者:井上円了
のためにねたまる」というが、八卦を業とするもの、およびこれを妄信するもの、多くは貧困にして、しかもその家に災害が比較的に多いように見ゆ。もし、八卦によりて吉凶禍....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
ります。労働争議のよってもって起る原因を究明せず、最近の労働争議が吉田内閣の政策貧困から来ていることを意識せず、ただ弾圧だけすれば事足りると考え、電産、石炭産業....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
のため兵を分散する事は危険でもあり、殊に三十年戦争頃に比し兵が増加したため、到底貧困な地方の物資のみでは給養が出来なくなった。 そこで作戦を行なう前に適当の位....
四谷怪談異説」より 著者:岡本綺堂
して、お岩が尊崇していた神を祀ったのであると云うのである。即ち田宮なにがしと云う貧困の武士があって、何分にも世帯を持ちつづけることが出来ないので、妻のお岩と相談....