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貧弱
「貧弱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
貧弱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
《そもそも》僕の愛《アムウル》なるものが、相手にそれだけの熱を起させ得ないほど、
貧弱なものだったかも知れない。だからもし妻と妻の従弟《いとこ》との間に、僕と妻と....
「沼地」より 著者:芥川竜之介
そう云っても差支えないほど、この画だけは思い切って彩光の悪い片隅に、それも恐しく
貧弱な縁《ふち》へはいって、忘れられたように懸かっていたのである。画は確か、「沼....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
へ出てみると、ほとんど意外だったくらい、あの大理石の墓がくだらなく見えた。どうも
貧弱で、いやに小さくまとまっていて、その上またはなはだ軽佻浮薄《けいちょうふはく....
「或る女」より 著者:有島武郎
思いもかけぬ貪婪《どんらん》な陋劣《ろうれつ》な情欲の持ち主で、しかもその欲求を
貧弱な体質で表わそうとするのに出っくわすと、葉子は今まで自分でも気がつかずにいた....
「私の父と母」より 著者:有島武郎
いたが、そのわりに一向進歩しないようであった。いったい私の家は音楽に対する趣味は
貧弱で、私なども聴くことは好きであるが、それに十分の理解を持ちえないのは、一生の大損失だと思っている。....
「弓町より」より 著者:石川啄木
満足な人たちに通じて、有力な反対の理由としたものが一つある。それは口語詩の内容が
貧弱であるということであった。 しかしその事はもはやかれこれいうべき時期を過ぎ....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
活中に把握される外に道はない。体験のみがそれを可能にする。私の体験は、縦しそれが
貧弱なものであろうとも――愛の本質を、与える本能として感ずることが出来ない。私の....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
オンは十年にわたるイギリスとの持久戦争を余儀なくされ、遂に敗れた。イギリスはその
貧弱な陸上兵力にかかわらず、ドーバー海峡という恐るべき大水濠の掩護によって、ナポ....
「新日本の進路」より 著者:石原莞爾
、廣大な土地と豊富な資源のあるところでやつて行く方式である。日本は土地狹く資源も
貧弱である。しかも人口は多く、古來密集生活を營んで來た文化的性格から部落中心に團....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
心の反映を、バイブルの中に見出すからである。神につきての知識と、理解とが、極めて
貧弱である為めに、彼等は過去の啓示に満足し、別に新啓示に接して、自己の心胸を拡充....
「「別居」について」より 著者:伊藤野枝
ればなりませんでした。子供を完全に育てるというだけの自信を持つには、私はあまりに
貧弱な自分に愛想をつかしましたから。それから、それに私のすべてを打ち込むには、子....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
しておっても情意の側においてはなはだ無勢力であるというのは、宗教的色彩のきわめて
貧弱なるがためである。 六 教育論 つぎに教育について一言すれば、教育の....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
』を証示するをいう。信者、すなわちヤソ教を奉ずる国は富強にして、他教を奉ずる国は
貧弱なるの例を挙げて、神はその信者を愛護することかくのごとしという。 政教子曰....
「西航日録」より 著者:井上円了
勤倹の力に富むといわざるべからず。要するに、勤倹の結果は富強となり、怠惰の結果は
貧弱となるは、渡世の常則にして、動かすべからざるものなり。ゆえに、わが邦人はこの....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
に自覚すればその達成は必ず可能なるを確信するに至ったのである。 経済力が極めて
貧弱で、重要産業はほとんど英米依存の現状に在った日本は、至急これを脱却して自給自....