貧書生[語句情報] » 貧書生

「貧書生〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

貧書生の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の盗賊」より 著者:太宰治
フィルドの牧師ほどの高徳の人物でさえ、そうである。いわんや私のごとき、無徳無才の貧書生は、世評を決して無視できない筈《はず》である。無視どころか、世評のために生....
黄村先生言行録」より 著者:太宰治
うちに、ひとめ見たいものだという希望に胸を焼かれて、これまた老いの物好きと、かの貧書生(ひどい)などに笑われるのは必定と存じますが、神よ、私はただ、大きい山椒魚....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
がし出した。 「僕はね、御承知の通り学校を出たばかりでまだ一定の職業もなにもない貧書生だが、これでも少しは教育を受けた事のある男だ。森本のような浮浪の徒《と》と....
竹青」より 著者:太宰治
むかし湖南の何とやら郡邑に、魚容という名の貧書生がいた。どういうわけか、昔から書生は貧という事にきまっているようである。こ....
思想と風俗」より 著者:戸坂潤
社会的に学生が可なり優遇されていた時期であった。なる程貧乏な学生(「苦学生」・「貧書生」)は今より多かったらしいし、又書生一般の生活程度も当時の水準に較べて今よ....
旅愁」より 著者:横光利一
に老人のことを訊ねると、それは有名な船会社の社長の木山だということだった。一介の貧書生から実業界の大物に登り上り、一時は成金の代表者のように云われたことのある、....
惜別」より 著者:太宰治
は五銭とか八銭とかの謂わば大衆的な低廉のもので手軽に見られる立見席もあり、私たち貧書生はたいていこの立見席の定連で、これはしかし、まあ小芝居の方で、ほかに大劇場....
善蔵を思う」より 著者:太宰治
が、けれども、拒否されても、私は河内さんを有難いと思った。私のような謂わば一介の貧書生に、河内さんのお家の事情を全部、率直に打ち明けて下され、このような状態であ....
狼疾記」より 著者:中島敦
った。 時勢に適応するには余りにのろまな・人と交際するには余りに臆病な・一介の貧書生。職業からいえば、一週二日出勤の・女学校の博物の講師。授業に余り熱心でもな....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
れより同棲《どうせい》することとなり、一時|睦《むつ》まじき家庭を造りぬ。 二貧書生《ひんしょせい》 その頃の新聞紙上には、豪農の息子|景山英《かげやまひで....
序に代えて人生観上の自然主義を論ず」より 著者:島村抱月
すべてみずから世波と闘わざるを得ない境遇にいて、それから学窓の三四年が思いきった貧書生、学窓を出てからが生活難と世路難という順序であるから、切に人生を想う機縁の....
学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
のうえようやく本望を達して出仕の後、はたしてその前日の心事に背《そむ》かざるや。貧書生が「われに万両の金あれば、明日より日本国中の門並《かどな》みに学校を設けて....
学校の説」より 著者:福沢諭吉
買入はもちろん、教師へも十分に給料をあたうべきがゆえに、教師も安んじて業につき、貧書生も学費を省《はぶ》き、書籍に不自由なし。その得、一なり。 一、官には黜陟《....